2021年8月25日

シリコンバレーで人気なデザイン思考

投稿者: kgi_admin

みなさん、デザイン思考はご存知ですか。

もう取り入れているという人もいれば、聞いたことがある人、はたまた初めて聞くなんて人もいるでしょう。

デザイン思考はシリコンバレーのスタートアップや世界各国のIT企業が取り入れている思考法です。AppleやGoogle、SAMSUNGといった世界きってのIT企業も採用しているところを見ると、知らずにはいられない思考法なのは間違いなさそうですね。

今回はそんな今知っておくべきデザイン思考を紹介していきます。 

デザイン思考とは何か

デザイン思考とは、ユーザーを中心に考えることで本質的な課題やニーズを探し、仮説を立てながら問題の再定義を繰り返していく問題解決の思考法です。中心となるのは、考えることではなく、作っては試し、作り直しては試しを繰り返していくことで、より洗練された解決策を見つけることです。

デザインというと華やかものをイメージしてしまうかもしれませんが、そうではありません。

デザインの根底には問題解決があります。例えば、デザイナーの仕事は、顧客のニーズを考え、作品を作ります。つまり、顧客のニーズの中にある問題を解決へと導くわけです。

なぜ今、デザイン思考が必要とされているのか

なぜ、デザイン思考が今、必要とされているのでしょうか。

その理由はビジネスのあり方が変わったことにあります。

現在に比べて、昔はモノがありませんでした。だから、大勢の人の困りごとやニーズに合わせて、失敗しないモノを作れば、注目が集まり、売り上げをあげることができました。

しかし、現代はモノで溢れています。製品やサービスといったモノは、近年で機能や品質の均一化が進んでいます。つまり、今まで通りのモノでは売れなくなっています。

そこで必要なのが付加価値をつけたり、別の価値を生み出すということになります。そして、そこには失敗が付き物になります。

そのためには今までとは異なった手法でサービスや製品を世の中に出していく必要があります。

それが、「ユーザーの意見を聞き、仮説を立て、プロトタイプをリリースして、改善を繰り返す」というデザイン思考の考え方で、いかに早く失敗を繰り返してニーズに合ったものを提供するかというのが今のビジネスに合った手法となります。

デザイン思考の思考モデル

デザイン思考を学ぶ上で忘れてはならないのはデザイン思考の5段階と呼ばれる思考モデルです。

デザイン思考の5段階とは、d.schoolと呼ばれるハーバード大学デザイン研究所のハッソ・プラットナー教授が提唱した思考モデルで、最も代表的な思考モデルと言えます。

名前の通り、5段階に分けて思考を深めていきます。

Empathise(共感)

まずユーザーの気持ちを共感するところから始めます。

具体的にはユーザーのレビューやアンケート、インタビューで意見を聞いたり、実際にユーザーの行動を観察したりしながら、ユーザーを理解します。この時に重要なことはユーザーの意見を鵜呑みにせずに、ユーザーの気持ちになったつもりでユーザーの思考を考えます。

Define(定義)

次に定義、すなわち、仮説を立てます。

ユーザーは自身のニーズを理解していないことも多いため、ユーザーの本質的なニーズを汲み取って、仮説を立てることが多いです。

例えば、「いい掃除機がほしい」という人がいれば、それは実際はいい掃除機が欲しいのではなく、「楽に部屋を綺麗にしたい」というのが本心かもしれません。その場合はロボット掃除機すれば、楽に部屋を綺麗にすると言うニーズは解決できたりします。

Ideate(概念化)

立てた仮説に対して、具体的にどういうアプローチをできるかを洗い出していきます。

この時にブレインストーミングなどでチームで意見を出し合っていくことが一般的です。

アイデアを出すときはとりあえず量を出していきましょう。そして、そのアイデアをカテゴリ分けします。

Prototype(試作)

試作段階では実際に製品やサービスなどの試作品を作っていきます。

前段階で出たアイデアを元に、とにかく完璧でなくても完成させることを目指します。

試作品を作る段階で、今まで気付かなかった問題点を発見することができます。

Test(テスト)

試作品を市場にリリースして検証を行います。ユーザーからのフィードバックを受け、ユーザーのニーズが定義した仮説通りだったかをチェックしていきます。1回で完璧なものにはなりませんので、共感からテストまでの工程を何回も繰り返していきます。

デザイン思考の活用事例

それでは世の中にデザイン思考が使われ、成功した事例はたくさんあります。

代表的なものは皆さんご存知のゲームソフト、Nintendo Wiiです。

任天堂がWiiを開発する際に社員の家庭を観察し、「ゲームがあることによって家族同士の会話が少なくなっている」「ゲームがあるとリビングで子どもが滞在する時間が短い」といったデータが取れました。

そこで、「家族が一緒に楽しめるゲーム」がユーザーの潜在的なニーズなのではないか、という仮説を立てました。そこから、開発チームはアイデアを出し、プロトタイプを使用しながら改良を重ねて、大ヒット商品となりました。

この事例からもわかるようにデザイン思考の重要なフェーズは観察し、ユーザーに共感することです。そうすることで、ゲームという枠を超えた体験をデザインした、デザイン思考の画期的な活用事例となりました。

まとめ

デザイン思考を理解して頂けたでしょうか。

デザイン思考は、従来はデザイナーがデザインを作るための思考法でしたが、今ではどの企業でも取り入れるべき人気の思考法です。

デザイン思考では、「共感・定義・概念化・試作・テスト」という5つのステップを繰り返すことで、ユーザーの本質的なニーズに合ったサービスやプロダクトを開発します。

日本のデザイン思考の浸透率はまだ低く、デザイン思考を採用して、きちんと活用すれば、他の企業より頭ひとつ飛び抜けるすごいサービスやプロダクトを開発できるかもしれません。

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