2020年12月24日

デジタイゼーションからDXへの発展例①

投稿者: kgi_admin

世の中の至るところでDXという話を耳にするようになりましたね。世界的に見てIT化が遅れていると言われている日本の行政ですら、本格的な改革の手が行われる時代です。民間企業のDX化はマストと言えるのではないでしょうか。

しかし、DXは「デジタル技術を前提としてビジネスモデルを新生・再構築すること」であり、簡単にできることではありません。既存のデジタルツールなどを日常的に業務で用いるなどして、デジタルに対する慣れが必要です。

デジタイゼーションを行ってデジタル技術に対する経験と慣れが蓄積され、「このデジタル技術を使えば、こういうことができそう」と考えてDXに繋がるわけです。今回はデジタイゼーションからデジタルトランスフォーメーションに繋がった例をご紹介します。

話題の「ahamo」もDX

皆さんも「ahamo」は最近のニュースでご存知なのではないでしょうか?

そうです。NTTドコモの新料金プランです。日本の3大キャリアは料金が高く、政府から「値下げしろ」と言われるほどでした。今回はこの要請に応えた形です。

「ahamo」の最大の特徴は値段ですが、もう一つ大きな特徴があります。

「実店舗では契約できず、オンライン契約のみ」としていることです。これは、年配でデジタルガジェットに疎い方には厳しいことです。しかしスマートフォンを使い慣れている若い世代には全くデメリットのない、ただただ安いだけのプランです。

この「ahamo」のDXについて、携帯契約に関係するデジタイゼーションとからめて説明しますね

携帯電話契約の変化

デジタイゼーション:紙での契約からデジタル契約へ

紙からタブレット

昔は携帯ショップで契約をするには紙に個人情報を書いて、印鑑を押すやり方でした。

印鑑を忘れたから契約できない、なんてことも2000年代にはありましたね。

携帯が欲しくて何とかお母さんを説得して携帯ショップに行ったけど「あ、印鑑忘れた」という一言で先延ばしになってしまった、、、。こんな悲しい経験をしたことのある人もおられると思います。

それが今では、店舗の中で店員さんの案内に従ってタブレットにデータを入力して、署名欄に指やペンで署名するだけで済みます。典型的なデジタイゼーションです。

これはお客さんが楽になっただけではありません。

紙に記載された情報を再度パソコンに入力するという、ヒューマンエラーが発生する上に時間のかかる作業がなくなりました。

タブレットに入力された情報がそのままデータベースに保存されるので、キャリア本部は毎日どころか毎時で契約獲得状況を確認することができます。

デジタルトランスフォーメーション:店舗での契約からオンラインでの契約へ

「タブレット入力で契約できるなら、わざわざ店員が入力する必要はないよね」

こんな言葉が、現場でも本部でもあったに違いありません。

それを現実にしたのが今回の「ahamo」です。

ターゲットである若者は、amazonやメルカリでの売買を当たり前に行い、HuluやNetflixの月額契約(サブスクライブ)で動画を視聴します。

インターネット上で何かを購入したり契約したりすることに何の抵抗もなく、操作で迷うことも少ないです。

そんな若者の性質と「同じ内容を入力するなら店員がする必要がない」を掛け合わせた結果、

お店からデジタルツールへ

実店舗では取り扱わず、ネット受付・契約のみとなりました。

専用のwebサイトにパソコンやスマートフォンでアクセスし、免許証番号や個人情報、支払い手段などを入力して契約です。

行っていることは、店舗タブレットでの入力と同じことです。

実店舗がいらないので、契約の経費に店舗コストや人件費は含まれません。

さらに、いつでもどこでも、そこが契約の場所になります。

だからこそ達成できる、「デメリットなし20GB 2,980円」という価格破壊なわけです。

流れを見ると当たり前の流れのように思えます。

しかしこの「ahamo」は、インターネットの普及とパソコン・スマートフォンの普及というデジタル技術の一般化が前提となっています。

さらにビジネスモデルは以下のように変わっています。

契約までの流れ

サービスのスタンス

流れを追ってみると当たり前の流れのようですが、「誰もがインターネットに接続できる端末を持っているという社会のデジタル化が前提」「既存のビジネスモデルを大きく改変している」というデジタルトランスフォーメーションの要素を全て含んでいます。

また、他社も同じ形式をとって追随しなければ勝負にならないのも、デジタルトランスフォーメーションの特徴をよく表しています。

競合他社であるauが「ahamo」の発表後に、従来的な「一見安く見えて、実は制約だらけで実際に使うと高いプラン」を発表してユーザーからの失望で炎上しました。「DXした企業が当たり前となって、DXしてない企業は叩かれる」という、まさに好例です。Softbankはそれを見た上で、「Softbank on LINE」というタ対「ahamo」サービスをしっかり発表していました。

もちろん、NTTドコモはこの契約への一本化をするわけではありません。実店舗も店員も残ります。高齢化社会でサポートが必須の高齢層には、実店舗とニッコリスマイルで案内してくれる親切な店員が必要です。

しかし、今後5年10年と経て、人口減と並行して「契約はネットが当たり前」となっていくと、徐々に実店舗は減らされていくのではないかと思います。

そうなったときには、今回「ahamo」が業界の転換点となるのではないかと思われます。

まとめ

今回はデジタイゼーションからDXへの発展例を紹介しました。

DXというと、何だかとても革新的な感じがします。しかし、デジタル化(デジタイゼーション)をしていくと「当たり前に生じる考え」「当たり前に生じる顧客の要望」で出来るもの、とご理解いただけたのではないでしょうか。

気がつくとデジタルトランスフォーメーションしていた、ということは世の中にたくさんあります。

しかし、切っ掛けとなるデジタイゼーションは「気がつくとしていた」ということはあり得ません。まずは一部から、デジタル化を進めていきましょう。

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