デジタル化には欠かせない「ペーパーレス化」とは
近年、益々デジタル化が騒がれています。既にデジタル化が進んでいる会社もあれば、どのようにデジタル化すればいいのかまだ迷っている会社もあるでしょう。デジタル化する上で欠かせない課題の一つは、「ペーパーレス化」でしょう。
今、日本だけでなく世界中の企業がペーパーレス化が進んでいます。
また仕事上だけでなく、切符の代わりにICカード、本の代わりに電子書籍など、世間でもペーパーレスは進んでいます。
この記事ではペーパーレス化について、説明していきます。
ペーパーレス化とは
ペーパーレス化とは、紙の利用を減らして、PCやタブレット、スマホでファイルとして閲覧できるようにする取り組みです。具体的には、紙で取り扱っていたドキュメントをPDF文書にして利用したり、書籍やカタログをデジタル化して、コストの削減や業務効率の改善を行うことです。
記憶にも新しい、政府が提唱した「働き方改革」のひとつに、ペーパーレス化が含まれています。ペーパーレス化を推進するため、「e-文書法」や「電子帳簿保存法」などの法改正を行い、全ての契約書や領収書はスキャンしたり、電子文書で作成・保存したりすることができるようになりました。
現代の社会情勢によりリモートワークや在宅勤務が推進されたことにより、場所や時間を選ばすに文書を閲覧・作成・編集が可能である電子文書は必要不可欠となっています。
また、紙を使用量を削減すれば、現在大きな世界的な大きな問題となっている環境問題にも大きな効果をもたらします。資源となる森林が大量に伐採されることを防ぎ、自然破壊の軽減にも繋がっていきます。
ペーパーレス化の4つのメリット
ペーパーレス化を行うとどんなメリットがあるのでしょうか。
今回はもっとも大きな4つのメリットを紹介していきます。
・紙の印刷・保管コストの削減
ペーパーレス化は紙の保管スペース・印刷コストを削減することができます。
業務を紙ベースで行うということは、電子文書よりも多くのコストがかかります。紙代やプリンター代、インク代、そして保管するキャビネットやラックなどの保管スペースもバカにはできません。また、備品の発注やプリントアウトを待っている時間、まとめた資料をホッチキスでまとめる作業など紙ベースでの業務は仕事上のムダを生み出しています。
文書のデジタル化はこれらのコストやムダを削減することができます。
・文書の検索性の向上
必要な書類を探し出す時、文書をデジタル化されているかどうかでこの作業時間は大幅に変わります。
紙ベースで仕事を行っている場合は、大量にあるフォルダの中から必要な資料一枚を探し出すことになります。整理整頓がきちんとされていない職場であれば、資料一枚を探し出すのに何時間もかかってしまうこともあるでしょう。
ペーパーレス化がされている会社であれば、キーワード検索やソートで日付順に並べ替えを行えば、すぐに必要な書類を見つけ出すことができます。数分、多ければ数時間の無駄を省き、業務の効率化を図ることができます。
・利便性の向上
ペーパーレス化をすると利便性も向上します。例えば、クラウドで資料を管理すれば、場所や時間などの制約を受けることなく、資料へのアクセスが可能となります。外回りの営業マンが出先から資料を確認することもできますし、リモートワークや在宅勤務を導入する際もスムーズに行くでしょう。
紙の書類の場合は、直接手渡しで行う必要があるため、スピード感が格段に変わってきます。
・セキュリティの強化
電子書類は紙に比べて劣化・紛失のリスクが少ないことも大きなメリットです。
紙の書類は持ち出しによる紛失や、災害時などで消失してしまうことも考えられますし、盗難や情報漏洩の危険性も出てきます。また、経年変化による変色や劣化などにより、書類から必要情報が得られなくなる可能性も出てきます。
電子書類であれば、劣化や変色することはありません。クラウド保存やバックアップを取っておけば、紛失や消失してしまっても全く問題がありません。パスワードを使って書類へのアクセスを制限すれば、情報漏洩のリスクも大幅に下げることができます。
ペーパーレス化のデメリット
もちろんペーパーレス化を行うとともなうデメリットについても頭に入れておく必要があります。
・導入コストがかかる
ペーパーレス化を行うにはPCやタブレットなどの電子機器が欠かせません。
従業員全員が一台づつ保有していなければならないため、電子機器の供給に多少のコストがかかるでしょう。
・ネットワーク・システム状況に作用される
電子化した書類をクラウドで行う場合は、ネットワーク環境が必要となります。もし、ネットワーク環境の期待できない状況で書類を必要とする場合は前もって書類をダウンロードしておく必要があります。
また、システム障害やメンテナンスに業務を左右されてしまうことも考えておきましょう。メンテナンスの時間は把握して、対応できるように書類管理を欠かさないように気をつけましょう。システム障害に備えてよく使うファイルは自身の電子機器で保存・編集を行い、都度クラウドにアップデートするようにすればシステム障害にも対応しやすくなります。
・慣れるまでに時間がかかる
紙での仕事が多い会社は特にここがネックになる部分でしょう。
社内から反対意見が出たり、作業効率が一時的に悪くなるということも考えられます。
しかし、これから時代はデジタルで行うことができる業務は、全てデジタルで行われるように変わっていきます。この機会に社内の意識改革も検討しましょう。
ペーパーレス化の進め方
ペーパーレス化を進めるには気をつけなければならないポイントがいくつかあります。
・経営陣がペーパーレス化する理由を理解する
ペーパーレス化に進めていくと一時的な業務効率低下や社内からの反対意見が出てくることは否めません。今までの慣れ親しんだやり方が変わることを不満に感じる人は少なからず存在します。そういった従業員も含めて社内の方向性を示していかなければなりません。
経営陣がしっかりとペーパーレス化する理由を理解し、社内に説明できなければ、ペーパーレス化はおろか、デジタル化が進む社会に企業を変革していくことは困難となります。
・データの保管など新しいルールを決める
今までのプロセスが変化するということは、新しいルール・方針が必要になるということです。
ルールを決めず、ただただペーパーレス化を進めてしまうと、ファイルの整理整頓がきちんとされずに逆に不便になってしまいます。例えば、ファイルの保存場所はバラバラで探す手間が増えたり、ファイル名に命名規則がなく一つ一つのファイルの内容を確認しなければ中身がわからないということも起こりえます。
ペーパーレス化で起こりうる問題を前もって考え、ルール・方針を決めて、対策を取るようにしましょう。
・少しづつペーパーレス化する
社内の全部署を同時にペーパーレス化する、ということは避けましょう。
まずはITや電子機器に強い部署から導入して、そこからどのような結果になったかを分析します。そこから得られた結果を考えながら、次の部署に導入する時の対策を練りましょう。
全ての部署を同時にペーパーレス化することはあまりにも失敗したリスクが大きく、業務への支障をきたしかねません。
まとめ
この記事ではペーパーレス化のメリット・デメリット・導入の進め方について紹介しました。
ペーパーレス化は紙やインクなどのコストの削減や、検索性や利便性の向上など大きなメリットとともに、社内全体が浸透させるのに多少なりとの時間とコストがかかるというデメリットも存在します。
また経営陣がしっかりとペーパーレス化をする理由を理解し、少しづつ導入していくことで、導入成功へと大きく近づくでしょう。
ペーパーレス化はデジタルトランスフォーメーションへの初期段階、デジタイゼーション に当たります。デジタルトランスフォーメーションを成功させたい企業は、ペーパーレス化はなくてはなりません。
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