システム知識 – IoTとは –
IoTとは、様々な「モノ」がインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組みのことです。Internet of Thingsの略で、日本語ではモノのインターネットという意味になります。
最初にIoTという言葉が用いられたのは、1999年マサチューセッツ工科大学のAutoIDセンサー共同創始者であるケビン・アシュトン氏によってでした。しかし、実現するための技術力や莫大なコストが壁となり、世間に浸透することはありませんでした。
10年後、多くの人々がインターネットに接続される機器を持つ時代へと変わっていきました。
その後、2012年にドイツは、製造業の工場にIoTを導入して、設備同士もしくは設備と人が協調動作する工場を官民一体で目指す戦略であるIndustry4.0を打ち出しました。
Industry4.0の後押しとクラウド・コンピューティングやビッグデータ分析など技術の発達、低電力・低コストなセンサーの実現によりIoTは現在の世の中へと浸透していきました。
IoTで何ができるのか
IoTでできることは主に3つに分けられます。
遠隔制御
離れた場所からモノを操作することができます。
身の回りで活用されているもので例えるなら、玄関に近づくと家のドアの鍵を開錠したり、エアコンをつけたりなどです。
モニタリング
モノの周りの環境や動きを検知・把握することができます。
環境というのは、温度や湿度、照度や騒音など、動きは振動や移動、傾斜などのことです。
例えば、動きを検知すると撮影を始める監視カメラや転倒すると通知を発信する装置などです。
M2M(Machine to Machine)
モノとモノを繋ぐことができます。
例えば、スマートスピーカーには話しかければ、カーテンの開閉やテレビのオンオフなど、家電の操作が可能です。
IoTの仕組み
IoTの基本的な仕組みは下記の図のようになります。
IoTの構成は大きく3つに分かれます。モノのインターネットのモノの部分にあたるデバイス、デバイスとネットワークを繋ぐゲートウェイ、そしてネットワークです。
デバイス
デバイスの役割は大きく2つあります。センシングとフィードバックです。同じデバイスで両方の役割を担っている場合もあります。
センシングはセンサと呼ばれる電子部品によってデバイスの状態やその周辺の状態を検知して、アナログ電圧や数値に変換してシステムに知らせる仕組みです。
センサは温度センサや光センサ、ジャイロセンサなどいろいろな種類があり、カメラやマイクなどもセンサに含まれます。
フィードバックはシステムから指令を受け取って、アクチュエータと言われる部分で指令に沿った情報の表示や動作を行います。
アクチュエータは、IoTにおける動く部分や表示される部分のモノです。例えば、通知の表示されるPCやスマホのスクリーン、オンやオフにされるライトやエアコンなどです。
ゲートウェイ
ゲートウェイはデバイスから取得したデータを処理して、インターネットへと送信します。また、デバイスの管理・制御も同時に行います。
インターネット
送られてきた情報はインターネット上にあるサーバーで処理され、その処理された情報は指定された送り先へ送られます。
クラウドコンピューティングとエッジコンピューティング
クラウドコンピューティングがIoTの世間への浸透を後押ししたと言いましたが、クラウドじゃなくてもオンプレミスでも可能なんじゃないか、と思われる方もいると思います。IoTのデータがオンプレミスのサーバーに保存される場合に一番問題となってくるのはデータの量です。IoTは日常的に使われるモノで多くのデータを保存しておく必要があります。増えていくデータ量にオンプレミスでは莫大なコストがかかりました。
IoTの発展にクラウドコンピューティングが関わった理由はクラウドの従量課金制で「必要な時に必要な分だけ」というサービスがIoTのデータ保存に最適だったからです。
しかし、クラウドに保存するとはいえ、大量のデータを送受信して処理をする、となると費用と通信の遅延が問題となります。
そこで近年注目を浴びているのがエッジコンピューティングです。
エッジコンピューティングでは、インターネット経由でクラウドサーバーにアクセスする前に、パソコンやスマホなどユーザー端末の近くにサーバーを配置して、分析・処理をします。
大量データを処理することで、全てのデータをクラウドに送る必要がなくなり、通信コストの削減をできます。また、より近くのサーバーで処理を行うことでリアルタイム性が担保され、データの送受信にかかる数百ミリ秒から数秒の遅延が改善されます。
まとめ
IoTは様々な「モノ」がインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組みのことで、できることは大きく分けて、遠隔制御、モニタリング、M2Mの3つです。
IoTはデバイスのセンサにより検知したものをアナログ電圧や数値に変換してシステムへと送り、直接、またはゲートウェイを経由してインターネット上のサーバーへと送られます。そして、サーバー内で処理された結果が指定されたデバイスに送信され、処理された結果に基づいてアクチュエータが動作をするという仕組みになっています。
現在ではインターネットに繋がっている機器は人口よりも多く、それだけ多くのIoTが使用されているということがわかります。
クラウドコンピューティングの発達も著しく、中にはデータウェアハウスや通知サービス、データ分析用BIサービスまで展開をしているクラウドサービスも存在しています。
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