データは資産である
まだまだデジタルトランスフォーメーションの進まない日本ですが、今のままアナログなオペレーションを続けてては、非常に大きな資産を損失している可能性あります。それはデータです。
データというと、「ただの過去の記録とか情報でしょ」と思われるかもしれません。
しかし、そのデータが皆さんの会社に改善や変化をもたらす貴重なものなのです。
今回はデータがいかに価値のあるもので、それをどう活用できるのかを紹介します。
データとビッグデータ
まず、データとはなんなのでしょうか。
国際標準化機構の「ISO/IEC 2382-1」および日本工業規格の「X0001 情報処理用語-基本用語」において、次のように定義されています。
「データ」の用語定義は “A reinterpretable representation of information in a formalized manner suitable for communication, interpretation, or processing.”「情報の表現であって、伝達、解釈または処理に適するように形式化され、再度情報として解釈できるもの」とされている。
日本版Wikipedia「データ」より転載
そして、世間一般で使われている電子データは、上記のデータがコンピュータ内にある、または、コンピュータに取り込める形になったものと言えます。
ビジネスにおいてデータは多くあります。
顧客データや売上データ、業務日誌などもデータにあたりますし、電子メールやSNSなどもデータであると言えます。
データの話になると切っても切れないのがビッグデータです。
ビッグデータというと大量のデータだと勘違いしている方もいるかもしれませんが、ビッグデータが意味しているのは、ただの大量のデータではありません。IT用語辞典では以下のように定義されています。
従来のデータベース管理システムなどでは記録や保管、解析が難しいような巨大なデータ群。明確な定義があるわけではなく、企業向け情報システムメーカーのマーケティング用語として多用されている。ビッグデータとは単に量が多いだけでなく、様々な種類・形式が含まれる非構造化データ・非定型的データであり、さらに、日々膨大に生成・記録される時系列性・リアルタイム性のあるようなものを指すことが多い。
(IT用語辞典)
ビッグデータは3つのVが特徴となっています。データの大きさ(Volume)、データの入出力や速度(Verocity)、データの種類や情報源の多様性(Variety)の3つで、いずれもビッグデータにおける重要な要素です。一元にこれがビッグデータだと言う定義はありませんが、SNSやログ、センサーなど時間とともに常に発生し続けるデータが、ビッグデータだと言われることが多いです。
それでは企業の大規模データはビッグデータなのでしょうか。
これは完全にイコールにはなりません。
企業の大規模データは活用方法や分析方法が以前から明らかになっているものであり、ビッグデータはそれ一つ一つに意味は持たないが、データを融合させて活用したりすることで、大きな価値を生み出します。
なぜデータが資産なのか
タイトルでデータは資産だと言いました。なぜ、データは資産なのでしょうか。
データは貯めておくだけではもちろんなんの意味もありません。データは活用しなければなりません。活用してこそ、資産と言える、価値あるものになります。
・売上の向上を狙える
データを活用すれば、顧客の傾向や関心などを知ることができます。
例えば、顧客層を分析することで、その顧客層に売れやすい商品やサービスを知ったり、同じ顧客層に属する顧客にアップセルやクロスセルを狙いやすくなります。
・新戦略の立案
データなしで立てる戦略より複数のデータの掛け合わせから導き出した戦略の方が成功率が高いのは目に見えています。
例えば、集めたデータを元に消費者行動を分析すれば、消費者のニーズを導き出すことができ、新しいプロダクトの開発の手助けになるかもしれません。他にも、ウェブサイトのアクセス解析をすれば、年齢層や性別、ページごとの滞在時間を確認でき、ウェブサイトの訪れるユーザーの興味・関心の傾向を把握することもできます。
・コストの最適化をできる
収集したデータを元にコストの最適化を図ることもできます。
例えば、日常業務をデータ化すれば、業務の中のムダを見つけて、改善への計画を練ることができます。課題を見出すのが難しい場合でも、データ活用をすれば比較的容易になります。
どのようにデータ活用するのか
一言にデータ活用と言っても、どうすればいいかわからない場合がほとんどでしょう。データ活用には一連の流れがあり、プロセスがきちんと行わなければ目的と達成することはありません。
1. データの収集・蓄積を行う
もちろんデータを活用するにはデータの収集・蓄積を行います。
部門によってデータの種類は異なりますが、代表的なデータは以下のデータです。
・業務データ(顧客データ、社員・勤怠データ)
・販売管理データ(POSデータ、注文データ)
・顧客とのやりとり(メールなどのメッセージ、電話の会話、商談内容)
・ログデータ(ウェブサイトのアクセスログ)
・センサーデータ(IoTから得られるデータ)
2. データを可視化する
収集しただけのデータはただの数字の羅列となるので、可視化する必要があります。
具体的にはグラフ化したり、ダッシュボード化したりすることで、必要な情報が一目で理解できるようにします。
3. 分析・解析をする
データをグラフやダッシュボードで可視化すると次は分析を行います。
ここでの分析とは、ビジネスにおいて有効活用できる情報を読み解くことです。
具体的には以下のようなものを見つけ出します。
・条件によって結果が出る「規則性」
・一部分だけ突出した値を持つ「異常値」
・2つの事象により結果が出る「因果関係」や「相関関係」
4. ビジネスに活かす方法を考える
分析・解析で得た情報から次はビジネスでどのように活かせるかを考えます。
情報の中には今まで気付かなかった伸ばすべきプラス要素や改善すべきポイントが見えてきます。その情報を元に、業務の最適化や新たなビジネスモデルの創出に役立てます。
まとめ
今回は「データは資産である」というテーマで、データの重要性とその活用方法について紹介しました。
まだまだアナログで紙の書類を使っている会社は多いと思いますが、デジタル化を進めてデータを貯めておくことは非常に重要です。また、ある程度はデジタル化を出来ている企業でももっと貯めておくべきデータは多く存在するものです。
データ活用をすれば、従来までは長年の勘で行われているようなビジネス戦略の決定がより正確かつスピーディーの行えるようになります。近年の企業の成長や経済の変化に対応するためにはデータをできるだけ保存しておき、それを活用することはなくてはなりません。
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