Clubhouseで考えるネットビジネスの収益モデル
2021年の1月ごろから一気に有名になった「Clubhouse」。皆さんも当然ご存知のことだと思います。
音声版twitterなんて言われたりするこのSNSサービス。私が最初に思ったのは「え、どうやって収益をあげるんだろう?」ということでした。
実際、2021年3月現在では収益モデルはまだ確立していないのが現状です。
インターネット上にはさまざまなサービスがあります。同時にさまざまな収益モデルが存在します。この「Clubhouse」に合いそうな収益モデルもあるでしょう。
今回は、こういったインターネット上でサービスを運営・提供し対価を得るネットビジネスの収益モデルを比較してみていきます。
1. 広告収益型
– 概要
- テキスト広告
- バナー広告
- 動画広告
上記の広告をサービス内に設置して広告主から広告料を得るタイプ
– 小分類
タイアップ・スポンサード型
特定の企業から広告掲載料を払って掲載するタイプ
障壁:新聞広告やテレビCMのようなもので、広告主獲得が難しい
視聴型
視聴回数または広告クリック数に応じて広告料を貰うタイプ
障壁①:単価が小さく大量のアクセスが必要になり、どうやって呼び込むか仕組みが必要
障壁②:大量のアクセスに対応しなければならないため、サーバー費用が高くつく
アフィリエイト型
広告をユーザーがクリックし、移動した先で購入や資料請求など決められたアクションをする度に報酬を貰うタイプ
障壁:単価は大きいがユーザーの行動が必要なため、ものによっては誘導が必要
– 代表的なサービス
- YouTube, Twitter など大多数のSNSサービス
- ニュースやキュレーションなど情報提供サービス
3つの型が上記サービスに入り混じっていて、サービス利用者側からは区別がしにくい。
– Clubhouseの収益モデルとして使えそう?
広告は視覚に訴えるものが中心なため、音声のみを聞くClubhouseとはシナジーが低そうです。
2. 課金収益型
– 概要
ユーザーからサービス利用料をとるタイプ
– 小分類
都度課金
1つの結果・1回のサービス利用を得るために課金をしてもらう
障壁:課金させるだけの魅力や魅力を持たせる仕組みが必要
例:ニュースサイトの有料記事、Noteの有料ページ、チケット制サービス
定額課金(サブスクリプション)
支払っている期間のみサービスが利用できる。
支払いでフルサービスを受けられるタイプと、メインサービス+αのオプションを付与できるオプション型タイプがある。
アップセル型オプション
決められた上限を開放したり、よりリッチなサービスを利用できるオプション
例:通常会員からプレミアム会員になることでコンテンツダウンロード上限が100⇨無限に引き上げることができる
クロスセル型オプション
追加機能や別サービスも使えるようになるオプション
例:カスタマイズが可能になる
※アップセルオプションに組み込まれていることも多い
障壁:継続して利用してもらい続けなければならないため、継続して顧客満足を満たし続けなければならず、ユーザーにカスタマーサクセスを与えるアップデートが常に必要。
例 :Photoshop・Illustrator・Microsoft Office・Netflix
– 特徴
フリーミアム
無料でほぼフルサービスを利用できる。
制限を解除したり、より便利になるオプションを課金によって与える。
都度課金型にも、定額課金型にも組み合わされている。
例 :Google Drive, YouTube, ChatWork
– Clubhouseの収益モデルとして使えそう?
現状で無料で使えるサービスとして広がっているので、フリーミアム型サービスとして継続し、有料オプションや有名人配信のチケットなどの販売などを行えると思われます。Clubhouseにとって大本命の収益型と思われます。
3. EC収益型
– 概要
実際の物やデータをサービス上で販売し、配信・配達でお客さんに届けるタイプ
– 小分類
小売型(プラットフォーム型)
別の会社・人も販売しているものを販売してもらう
障壁:どこでも買えるものを販売するため、競合との差別化・囲い込みが必要
例:Amazon、楽天市場、Yahoo ショッピング
物販型(個人商店型)
自社製品や自分の作品を販売してもらう
障壁:オリジナルの商品を販売するため、販売者の知名度がなければ気づかれない
例:BASE、Shopify、Stores.jp
– Clubhouseの収益モデルとして使えそう?
商品の情報を音だけで伝えるのは難しいので、話し手側が誘導(営業活動)をするための手段としてClubhouseが使われています。Clubhouseそのものがこの収益型を取り入れることはまずないと思います。
4. 仲介収益型
– 概要
人と人、企業と人、企業と企業を結びつける際の手数料をとるタイプ
– 小分類
マッチング型
- お見合いなど、人と人を結びつける
- 不動産や車など、売主と買主を結びつける
- 就活・転職など、企業(人事)と人を結びつける
上記のように希望と希望を結びつける型
障壁:ニワトリと卵問題(需要と供給どちらを先に探すか)
例 :リクナビ、Omiai、メルカリ
投げ銭型
特定の著名人に対してファンや視聴者が直接お金を送る
障壁:投げ銭を受けられるクリエイター・パフォーマーが必須
例 :Patreon、YouTubeの「拍手を送る」「サポート」機能
– Clubhouseの収益モデルとして使えそう?
ファンが著名人の放送を聞きに来るという動きがあるため、投げ銭機能はClubhouseと親和性が高いと思われます。
まとめ
ネットビジネスの基本的な収益モデルを紹介させていただきました。
YouTubeが複数の例に上がっていましたね。つまり、サービスの収益形態は一つに限定する必要はないのです。
現在何かしらのサービスを運営されていたり、計画されている方は他の収益モデルを計画に入れることを検討されても面白いかもしれません。
また今回はClubhouseを軸に考えたため、ある視点が抜けています。それは「知名度」です。インターネット上には多数のさまざまなサービスが存在しています。知名度がなければ存在していないことと同じであり、どんな収益型でも収益は生まれません。
知名度を上げる手段は数十年前の新聞広告とテレビCMが中心だった時代とは異なり、多様化しています。うまくいろいろな方法を取り入れて知名度を向上させていきましょう。
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