2021年2月16日

ウォルマートはどうAmazonに対抗しているのか

投稿者: kgi_admin

コロナ禍で外出自粛が続き、オンラインで買い物をしている人は増えていると思います。買い物のために外に出かけなくても、PCやスマホで全ての買い物ができ、かつ、数日以内に家に届くのだから、その便利さに魅了される人も少ないはないでしょう。

そこで圧倒的な力を見せるのが、EC最大手のAmazonです。この巨大なウェブ上のショッピングモールに敵う企業は非常に少ないです。特に、多くの小売業は大ダメージを受けてしまっているのが現状です。そんな中、Amazonに負けず劣らずの攻防を繰り広げる企業が存在します。

それがアメリカのスーパーマーケットチェーン、ウォルマートです。では、ウォルマートはどのようにして、Amazonと渡り合っているのでしょうか。

Amazonが絶対王者である理由

Amazonはオンラインだけでなく、リアルでも店舗を拡大し始めています。2016年にオープンしたAmazon Goでは、入り口の改札機にクレジットカードを挿入するだけで、レジで会計をする必要がなく、商品を持ち出すと自動で精算されるという新しい型の購買体験を提供しています。しかし、Amazonといえば、やはりオンライン上で強さを見せています。

世界最大のオンラインストアであるAmazonは、アメリカ全体のオンラインショッピングの売り上げの半分以上を占めています。オンデマンドのビデオサービス、Prime Videoや音楽配信サービス、Prime Musicなど、様々な特典のついた月額制の会員サービス、Amazon Primeも設けています。また、Amazon Primeは数多くの商品を無料翌日・即日配送という特典付きます。Amazon Prime会員は、アメリカ国内だけでも2021年1月時点で1億4200万人以上存在しています。

この配送のスピードはユーザー満足度をあげる一番の強みといえるでしょう。

アメリカでの調査では、購入金額が$50以下であっても、75%の顧客は無料配送を期待しています。また、56%の顧客は即日配送を期待しています。

これらのユーザーの期待に応える素早い配送は、Amazonがオンライン上で王者である一つの理由といえるでしょう。

ウォルマートのAmazon対抗策

ウォルマートの強みは、実店舗の多さにあります。

ウォルマートはアメリカの49州に計4789店も存在しており、90%のアメリカ人が16km以内の場所に住んでいると言われています。ウォルマートは老若男女問わず身近なスーパーマーケットであると言えます。

そして、ウォルマートはその実店舗の一部をオンライン用倉庫としても使っています。Amazonの倉庫数110に比べてると、ウォルマートの倉庫数は1600と15倍近い数を誇っており、この倉庫数により、アメリカで最大、かつ、効率的なネットワークを実現しています。

現に、配送コストというのは相当な額がかかるものです。Amazon Primeの無料翌日・即日配送は、ユーザー満足度を上げながらも、コスト的には痛手となっているのが現状です。実店舗と倉庫の多さが圧倒的なウォルマートは、その点をしっかりカバーしており、Amazonにはない強みといえるでしょう。

さらに、アメリカではオンライン上で商品を購入して、店舗で受け取りをするスタイルがよく使われており、実店舗の多いウォルマートの右に出るものは出てきにくいでしょう。

こうして、リアルとデジタルの両方を駆使したウォルマートはAmazonに負けず劣らずの戦いを繰り広げています。

勝敗を決めるのは配送の無人化か

実店舗数で圧倒的有利なウォルマートではありますが、配送自体にコストがかかるのは変わりありません。そこで両者が進める戦略が、配送の無人化です。

ウォルマートとAmazonともに目をつけたのが、ドローンです。

ドローンを使用すれば、排気ガスを出すことなく、交通渋滞にも巻き込まれないというメリットがあります。

Amazonは2013年時点で、ドローンによる配送を計画しており、2019年には新たなドローンのデザインを公表しています。さらに、2020年9月初め、航空運送業者としてドローン配送開始の認可を米連邦航空局から得ています。米国では3社目であり、今後の展開に注目が集まっています。

対するウォルマートは、2015年からドローン配送テストに取り組んでいます。

2017年にブロックチェーンベースの「ドローン」を用いた荷物配達システムに対する特許を申請し、さらに、昨年2019年1月、「ブロックチェーンを利用したドローンのクローニング」と題された特許申請を行っています。

そして、ウォルマートは救命ベンチャーZiplineと提携し、米国にてドローンでの配送業務を開始すると発表しており、2021年初めにウォルマートの本社近くで、健康やウェルネス製品をメインとした試験運用を開始する予定です。

両者ともにドローン配送に注力しており、これからの普及に期待されています。

まとめ

最大手のスーパーマーケットであるウォルマートが、EC界の王者Amazonにどのように戦っているのかを説明しました。いかがだったでしょうか。

Amazonは無料即日・翌日配送で高いユーザー満足度をキープしていますが、配送コストがAmazon自体の痛手となっていることも確かです。

リアルな店舗が多いウォルマートは、Amazonより有利な配送ネットワークを持っていますが、現状のオンラインショッピングではAmazonが人気を誇っています。

そんな中、両者はドローンを利用した配送の無人化に注力しています。

近い将来、ドアの前までドローンが購入品を運ぶなんてことが日常的になるかもしれません。

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