TikTokはなぜ人気になったのか
YouTubeなど既存動画サービスと比較して考える
TikTokをご存知ですか?若者の間では当たり前に使われている動画共有サービスです。中国国内では2016年に、中国以外の国は2017年からサービスが開始されました。
動画共有サービスといえば、YouTubeを筆頭に既に多数のサービスがあります。2017年ともなると、かなり遅い参入となったわけです。
しかし、2018年にはアプリダウンロード数で日本でもトップを獲得しています。
人を惹きつけるものであるのは間違いありません。
今回、TikTokと他の動画共有サービスを比較し、「何が先行者と違うのか」を見つけたいと思います。そして後発サービスがシェアを得るための考え方の参考にしたいと思います。
・動画の長さ
YouTube と TikTok の大きな差といえば、やはり動画の長さです。
さまざまなジャンルを取り扱っているのは YouTube も TikTok も同じですが、大きく違います。
– TikTok | – YouTube |
最大15秒 | 最大12時間 他サービスも2時間程度 |
TikTok が圧倒的に短いですね。他の競合サービスの全く逆です。さらに、TikTok は画面上に常に倍速再生をさせるボタンがついていて、倍速再生の文化すらあります。
・動画再生の仕方
動画を再生する方法に違いなんてあるのか?と思われますが TikTok は異なります。
– TikTok | – YouTube |
アプリを開いたらすぐに動画が再生される動画の選択は検索画面のみ | 再生する動画を選んで再生する他サービスも同様 |
TikTok では動画を選ぶということがありません。タイムラインの動画が勝手に再生されます。
・動画の保存機能
動画の保存機能は TikTok , YouTube の両方にありますが、中身が違います。
– TikTok | – YouTube |
動画データをダウンロードして保存できる。アプリ外でも動画閲覧が可能 | オフラインでも再生できるが、アプリ内でのみ閲覧。動画ファイルとして扱えない |
TikTok では再生している動画をそのまま保存できます。一方、YouTube など大多数の動画共有サービスは外部ツールを使わないと動画データをダウンロードできないため、大きく異なります。(ダウンロードは規約上NGが多いです)
・スマートフォン完結の度合い
TikTok も YouTube もスマートフォンで投稿ができますが、度合いが違います
– TikTok | – YouTube |
録画・エフェクト設定・BGM設定をアプリ内で行える | スマートフォン内に保存している動画データをアップロード |
特筆すべきなのは、TikTok は動画のアップロード者が音データをもっていなくともBGMを設定できることです。TikTok が準備してくれます。
・初期ターゲット
YouTube と TikTok の初期ターゲットについては共通点があります
– TikTok | – YouTube |
若者向け | 子供・若者向けから認知度を挙げ全年齢にシフト |
現在のところ TikTok は 10〜20代の若者向けですが、アプリ認知度の向上と並行して高い高年齢層の取り組みも始まっています。
マーケティングの有効な対象として目が離せませんね。
まとめ
動画(商品)に対してのスタンス
・YouTube は時間をかけてアプリ外で作られたもの。価値が高い
・TikTok は時間をかけずにスマートフォンでさっくり作るもの。価値が低い
視聴者(顧客)へのアプローチ
・YouTube は見たい動画を選んでもらう(能動的なお客さん)
・TikTok は見させる(受動的なお客さん)
同じジャンルの商品・ターゲットでありながら、アプローチやスタンスは完全に逆です。
YouTubeや他サービスが先行している状態で、素人がスマートフォンで作る20秒に満たない簡易な動画に価値があるとはなかなか発想しにくいと思います。
しかし、結果としてウケたのは、この競合の真逆のものでした。
先行者がシェアを多く持っている場合、差別化するというのはあります。その差別化をどうやって図るのかの方法として「真逆をいく」というアプローチがあります。今回の TikTok はこの典型的な成功例です。
– 参考 –
スティーブ・ジョブズのバラの話
「美しい女性を口説こうと思った時、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい?そう思った時点で君の負けだ。ライバルが何をしようと関係ない。その女性が本当に何を望んでいるのかを、見極めることが重要なんだ。」
競合と同じアプローチではだめで、潜在的なニーズを見極める、ということですね。
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