[5分でわかる]リーンスタートアップとオープンイノベーションの関係
新規事業を成功させる秘訣
リーンスタートアップというと、最近、注目を浴びているので、書店に行けば関連した本がずらりと並んでいます。一度は目にした事はあるのではないでしょうか。 かつての起業というのは誰かのアイデアや才能、運などによって成功が大きく左右される、いわば賭けのようでした。
企画や計画を事前にじっくりと練り上げてそれを一斉に実行に移す。そして、時間をかけて作った計画が、実は誰も欲しくないものを作るための計画だったということに気づく。こうした事例は多くあるでしょう。やってはいけないプロダクトアウトです。僕も経験しました・・・
そんななか登場したスタートアップの手法が、リーンスタートアップです。
当記事では、リーンスタートアップとオープンイノベーションの関係をご紹介し、皆様の新規事業成功への秘訣としてもらえればと思います。
リーンスタートアップとは
リーンスタートアップの名称は、「無駄がない」という意味の「リーン(lean)」と、「起業」を意味する「スタートアップ(startup)」の組み合わせからできています。そしてこのリーンスタートアップとは、新事業を最小限のコストで小さく始め、これに対する市場の反応を分析して、新事業が成功するかどうかや、改良の余地があるのかを早期に判断し、何度も軌道修正を繰り返す手法を意味します。失敗を許容して何度もチャレンジできる環境を整え、小さな失敗を何度も繰り返すことで、結果的にコストや時間を抑えることができるのです。
新規事業立ち上げで問題となる「コスト」、「時間」、「品質」を最小限の投資で抑え最大限の成果を発揮する手法です。
これにより、時間をかけて新規事業を作ったものの、市場ニーズに合わずコストや時間が無駄になってしまった…という状況を避けることができます。
特に時代の移り変わりが激しい現代に合った手法とも言えます。
このリーンスタートアップは2010年頃から注目を浴び始めた考え方で、ベンチャー企業の発祥の地であるアメリカのシリコンバレーでも、企業の方法論の一つとして多く取り入れられています。
リーンスタートアップは、「構築」、「計測」、「学習」のプロセスを短期間で繰り返します。
・構築
ある想定された顧客がある新規サービス、製品を必要としていると仮説を立て、新規事業のアイデアを練ります。
続いて、上記のアイデアを元にした製品をなるべくコストをかけずに開発します。この時に開発されるサービス、製品、試作品をMVP(Minimum viable product)、実用最小限の製品と呼びます。プロトタイプの事です。
・計測
上記で作成したMVPをアーリーアダプター(英語: Early Adopters、初期採用者)と呼ばれる流行に敏感で、情報収集を自ら行い、判断するような人々に提供して、その反応を見ます。
・学習
アーリーアダプターの反応、意見からMVPを改良して顧客に受け入れられるものにします。
また、アーリーアダプターの反応、意見から最初に立てた仮説そのものが誤りだと判断されることもあります。この場合には仮説そのものを見直して、方向を大きく転換します。
この方向転換をバスケットボールの用語になぞらえて「ピボット」と呼んでいます。
オープンイノベーションの役割
オープンイノベーションとは
企業が社内資源のみに頼らず、他社や大学、公的研究機関、社会起業家など、広く社外から技術やアイデアを集めて組み合わせ、革新的なビジネスモデルや製品・サービスの創出へとつなげるイノベーションの方法論のことです。競争環境が激しさを増す中、世界中に広がるリソースを積極的に活用して革新を促す「オープンイノベーション」は、企業にとって必須の戦略となっています。
オープンイノベーションのメリットは
ヒト、モノ、カネ、情報そして時間を効率よく得ることができることです。
双方で足らないところを補い、新しいことを生み出すことができます。
ここでお気づきの方もおられるかと思いますが、リーンスタートアップと重なるところが多いと思いませんか?
そうです。リーンスタートアップとオープンイノベーションをうまく活用すれば相乗効果で新規事業の成功率が高まり、早く市場に導入でき、結果コストも抑えることができます。
新しいプロジェクトで外部の関係者と提携したり、協力したりする場合、1から始めるのではなく、イノベーションの真っ只中から始めることができます。
つまり、協力しているパートナーから開発の協力であったり、実証済みのものを利用することができるということです。
繰り返しとなりますが、それによって、市場に参入するための時間と費用の両方が節約され、成功率が高まることになります。
リーンスタートアップでの新規事業立ち上げの必要性
なぜ今までの新規事業立ち上げプロセスでは成功しないのか?
答えは簡単で「環境が急速に変化するから」です。
突然ですが、皆さん、バックトゥザフューチャーの映画を観たことがあるでしょうか?
1985年に作られた映画ですが、タイムマシンで30年前にタイムスリップする話、2では30年後の2015年にタイムスリップします。
映画と現実の2015年は少し現実が追いついていない感じはしますが、時代の変化が激しいのを実感できます。
つまり今の時代、既存の業界を破壊してしまう新技術の出現はどの業界でもありうることです。ブルーオーシャンが急速にレッドオーシャン化した例は数多くあり、更にグローバル化が進んでいくことが予想される今日では、スピーディーかつ多様性を用いて新規事業の立ち上げを行う必要があります。そのため、クローズドイノベーションによる今までの手法に、以下のような欠点が生じています。
・移ろいやすい多様なユーザーの嗜好をカバーできない
・異業種や新規のスタートアップが自社のマーケットを破壊しにくるリスクに対応できない
・新規事業立ち上げにおいて結果的に足りない自社リソースを補完できない
このように、クローズドイノベーションは変化の激しい環境において限界があり、多様性がありスピーディーな事業展開を行うために、オープンイノベーションが注目を浴びているのです。
まさか、トヨタ自動車がライバル企業は?と聞かれ「ホンダ」と答えてた時代から「Google」と答える時代になるとは誰も予想してなかったと思います。
ソニーもPanasonicもその他有名な大手企業は「GAFA」をライバル企業としています。
リーンスタートアップを用いた新規事業の立ち上げプロセス
1、[0→1]企画→実行
まずは企画フェーズと実行フェーズです。リーンスタートアップではこの企画フェーズと実行フェーズを早く回し、失敗を繰り返し、成功率を上げることを行います。そして[1→10]のスケール化に繋げます。
オープンイノベーションの活用はこの段階からをお薦めします。
スケール化でのオープンイノベーションとなると市場を確保している企業との連携となるので大手企業に限定されることが多いので、初期からの連携をお薦めします。
企画フェーズ
・プロジェクトマネージャーのアサイン
・自社の活用する資産を決める(SWOT/3C/5F/VRIO分析などの経営戦略フレームワークを利用し自社の強みをリストアップする)
・アイデアを集める
・事業計画を作る
・事業性を評価する
実行フェーズ
・資金を確保する(助成金を受けたり、出資を受けたりすることも含む)
・実際に立ち上げるためにメンバーを集める
・開発・販売などの立ち上げを行う
・一定期間を経て評価する
リーンスタートアップでは、事業が成功するかを早期に見極めるだけでなく、改善と軌道修正を繰り返します。そのためには、計画を立てる前に必ず「仮説」を立て、それを「検証」し、「評価」する仕組みが必要になります。例えば、「こうした指向性を持つ顧客には、こういう製品へのニーズがあるのではないか」という仮説をたて、アイデアを練り、必要最小限の製品をコストをかけずに制作し、少人数の顧客に展開して反応をみます。その結果をもとに改良をしていくことで、早期の方向転換が可能になり、成功の確率を上げることができます。
[1→10]スケール化フェーズ
・本格的に事業をスケールさせる計画を作る
・事業をスケールさせていく
・専門的な知識やスキル、経験が必要なことには、積極的に外部のプロ人材を起用しましょう。
新規事業の立ち上げを加速させるためにも、必要に応じて外部のプロ人材に意見を乞い、正しく評価する組みを作ることが大切です。
ここでオープンイノベーションをするのも有効です。ベンチャー企業はここで大手企業と組んで事業を拡大するケースが多いです。
まとめ
さて、今回はリーンスタートアップとオープンイノベーションの活用をご紹介しました。
リーンスタートアップで新規事業の立ち上げを行っていると、オープンイノベーションにより相乗効果で成功率が上がることがお伝えできたかと思います。
新商品開発や新規事業で手詰まりを感じている企業、アイデアはあるが事業化で悩んでおられる企業等々
オープンイノベーションで活路を開いてはいかがでしょうか。
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