RPAを導入するために
RPA(Robotic Process Automation)とは
業務効率化・生産性の向上の切り札として導入されているRPA。
どんなものかというと、ロボットがパソコンの画面を直接操作してパソコン業務を実行すると言うものです。
定型業務・パターンが決まっていて例外が少ない業務はRPAの得意とするところです。
人間でもできるじゃん!といえばその通りですが、単純で繰り返しの作業というのは、集中力に限界のある人間ではどこかでミスが生まれます。
ミスを取り戻すための作業は、「ミスをしなければ生まれなかった作業」であるため、存在自体が非効率です。悲しいかな皆さんの周りでも頻繁に生まれていると思います。
ミスをしないRPAですが、導入にミスがあればどうしようもありません。
今回はミスしない導入・使い方をご紹介します。
RPAの導入準備
業務の区別
「あの作業もこの作業もコンピュータに置き換えて効率化したい」と考えてる方は多いと思います。すべての作業を自動化できれば最高ですが、そうもいきません。
基本的に、RPAは自分で考えることができません。ワンパターンの仕事以外の場合、最初から「この場合はこうしてね」という指示を与えない限り、ちゃんと動作しません。これがAIと違うところです。AIはAI自身が記憶している知識・経験から自己判断するものなので別物ですね。
「この場合はこうしてね」がいくつもあって、その場合分けと場合分けが組みあわさって別の結果に…という作業の場合は残念ですがRPA向きではありません。すべてパソコン上の作業であれば厳密にはできないことはないのですが、非常に複雑な仕組みになってしまい、問題が起きた場合やメンテナンス性に問題が出ます。
では何ができるんだ?と思われると思います。
目安ですが「いくつかのパターンしかない定型フォーマットから、特定の情報を読み取って、決まったところに入力をする」という仕事は基本的に対応できます。
・webシステムからの注文処理
・定型Excelの作成
・営業マンの報告書の統合化…等々
恐らくは業務の大部分に対して、何かしら自動化・効率化ができることでしょう。
必要なのは、今まで人の手でやってきた作業を噛み砕いて具体化し、「これはRPA化できる」「これはできない」に分けることです。
スモールスタート
いざ導入した後、「RPA化できる」と思った作業を全部RPA化しようとするのはおすすめできません。
RPAはツールなので、どんなRPAであってもロボットを作る操作に慣れが必要です。さらにExcelでマクロや関数を用いたシステムを作ったりするような、プログラミング的な思考も必要です。
これはExcelでマクロや関数を使えるレベルの人でなければ扱えないというわけではありません。考え方の問題です。
「注文メールを受信したら社内システムに注文内容を入力」という作業は人間であればこの一言である程度伝わります。一方でRPAロボットを作る場合は、以下のように作業を細かく分けていく必要があります。
メールの有無を確認、メールがあればクリック、メール内容を確認、各種注文情報を取得、社内システムを起動、社内システムに入力、次の処理へ
作るだけでも癖があり、かつ、作ったロボットが正しく動くのかどうかの検証も必要です。
この「検証」という作業は最も必要です。頻繁にロボットが止まると、結局人がロボットを支えることになってしまい、RPAの導入が逆効果になってしまいます。
ロボットがエラーで止まらないにしても、使える範囲があまりにも限定的すぎる場合、効果が薄いということもあります。
いきなり本格導入するのはリスクが大きいわけです。
このリスクを回避するためにも、まずはスモールスタートです。
試験的に特定部署の特定業務にRPAを導入し、人間の業務と並行して作業をさせてみます。人間と同じ結果が得られればOKという形ですが、ロボットを作ること・運用することに不慣れなため、基本的に最初はうまくいきません。
担当者の時間がかなり拘束されますし、成果が出ない作業です。
新規事業や新規展開をする場合と同様に、最初からうまくいくものではありません。RPAを導入する前にあらかじめ覚悟をしていただきたい点です。
スモールスタートをした結果、「RPA作成→検証→修正→検証の流れ」「この作業は人間にさせた方がいい」「こういうことも対応できそうだ」という経験が得られます。
本格導入
スモールスタートでの経験をもとに、PRAを他の部署や全社的に導入していきます。
具体的には、2つのアプローチがあります。
①RPA導入済みの業務に近い業務に広げていく
②新規にRPAを導入する
①の場合は手堅いやり方です。よくありがちなのが、総務部門でスモールスタートを開始して、そのまま総務部門の定型業務を順次RPA化していきます。一度うまくいっているので抵抗も少ないです。一方で、なかなか他部署への波及が進まないと、「総務だけ楽をして…」という反感が生じてしまう恐れもあります。
②の方法は挑戦的です。絶対にどこかでやらなければならないことです。
この場合に壁になりがちなのが、導入される部署にはRPAへの理解が薄いことです。何を任せることができるのかわからないので「この作業をロボットに任せたいんだけど」という内容がなかなか上がらないという壁があります。また、上がってきたとしてもRPA化が難しい業務ということあります。
ここで生きてくるのがスモールスタートの経験です。「こういうことができる」と理解が深まっているので、作業内容をロボット用に分解して考えることができます。まずは導入対象部署が1日に行っている業務をリストアップし、次にロボットに任せそうな業務に目星をつけて、対象部署にヒアリングを実施して、ロボットを作ってみてテストをして、というフローになります。
RPAを使っていくということ
RPAを使うということは、ソフトウェア開発に似ています。パソコンやスマホも完成したら「はい終わり」ではなく、アップデートされていきますよね。RPAも定期的に見直してアップデートする必要があります。RPAは効率化のために導入されるものです。RPAが社内の改善の壁になってはいけません。
少し前であれば、商売のやり方がガラッと変わるということはありませんでした。しかし、スマートフォンの登場という技術革新や、withコロナという急激な環境変化が当たり前に起きる時代になりました。
「RPAがあるせいで、変更ができないから、新しい営業スタイルに変更できない」という本末転倒な事態を防ぐためにも、定期的にRPAをアップデートしなければなりません。
RPAの導入には・・・
蛇の道は蛇といいます。
PRAを導入しようか検討するにしても、「この業務はRPA化できるのか」「どうすればRPAに任せられるのか」ということは、経験や知識がないと判断できません。
また、「継続してRPAを使い続ける」にはその会社だけでは難しく、サポートが欲しいところです。
「安心して業務を効率化したい」とお思いでしたら、お気軽に以下のお問い合わせからご連絡ください!
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