ローコード開発とは?
最近、日本の大企業でも積極的に採用され、GAFAMでもツールを提供するなどの活発な動きのあるローコード。このローコードとはどういうもので、どれくらいまでのことができそうなのか調べました。
ローコード開発とは?
最小限のコーディングで簡単に早くアプリケーションを開発するための仕組みがローコードで、ローコード開発とはその仕組みに乗って開発することです。
プログラミング開発とノーコード開発(テンプレート機能の組み合わせだけで作り上げるもの)の中間的なものとなります。
テンプレート機能の組み合わせで開発するという点はノーコードと同じですが、ローコードはそのテンプレート機能をコードによって加筆修正ができるという違いがあります。
プログラミング・ローコード・ノーコードの特徴
※上記のグラフはイメージです。ローコードサービス・ノーコードサービス・フレームワーク・プログラム言語によって実際の値は変化します。
ローコードでどんなことができるのか
では、ローコードで何をすることができるのでしょうか?
これは一概にはいうことができません。
ローコードとまとめて扱われていますが、基本的にはローコードサービスの提供元によって触ることができる内容が異なるからです。
今回はNode REDという無料で使えるツールを試してみました。
Node REDの画面
左側のダグがテンプレートの機能になっています。
そのタグをドラッグ&ドロップして線でつなぐと、一つのアプリケーションになります。
上記の画像について説明します。
一番左のタグが「こんな入力があった時」という「きっかけ」になっています。
具体的に言うと、「http://127.0.0.1:1880/test」へのアクセスがあった場合、という内容で設定しています。
真ん中のタグが「こういう処理をして」という「処理内容」になっています。
具体的に言うと、「<body><h1>こんにちは</h1></body>」という表示内容を作るように設定しています。
一番右のタグが「こういう返し方をする」という「反応方法」になっています。
具体的に言うと、「http」で上記の処理内容を返すという設定にしています。
結果、「http://127.0.0.1:1880/test」にアクセスすると、以下のような「こんにちは」という表示だけをするサーバーアプリケーションができあがりました。
ローコードによって製作されるアプリケーションは、基本的に今回のような
「きっかけ」「処理内容」「反応方法」で構築されます。
複雑な処理をする場合は、「処理内容」の部分が複雑になります。
今回の場合、例えば「Twitterから私の最新の投稿を持ってきて表示する」というようなことをしようとすると、Twitter API へのアクセス設定や、APIから返ってきた内容をどう表示するのか、という要素を追加しなければなりません。htmlへの知識の他、APIについての知識が必要になります。
ローコード開発に回すべき内容は?
ローコード・サービスにはサービスごとに特異分野があります。
例えば「sheet2site」というローコードサービスはGoogleスプレッドシート(Google版エクセル)からwebサイトを作れるサービスがあります。
スプレッドシートの内容を変化すると、自動的にホームページの内容も書き変わることが最大の特徴です。居酒屋のメニュー表を表示しているwebサイトであれば、スプレッドシートの単価を書き換えれば金額が変わるので便利です。
sheet2siteで作られたページ
このサービスの場合、用意されたテンプレートデザインしか使えず、用意された機能以外ほぼ使えません。ノーコードに近いサービスですが、専門的な知識がほとんどいりません。
一方で今回私が使ったNode REDは、その気になれば侵入者検知システムも複雑なwebシステムも作れてしまう汎用的なローコード・システムです。しかし、やろうとしてることについての知識が必要になり、プログラミング言語を用いて部分部分でプログラミングをしなければなりません。開発時間も比例して増え、結局、プログラミングでのフル開発と大差ない時間になるかもしれません。
そのため、「ローコード開発に回すべき内容は?」という質問の答えとしては、
「やりたいことのローコード・サービスがあれば、ローコード開発をすべき」と
「単純な機能のシステムをつくるのであれば、ローコード開発をすべき」の2つが言えます。
まとめ
現在のローコード開発でシステムを作るには、やりたいことを分解して、分解した各項目についての処理内容を更に細分化して、1つずつ指示をしなければなりません。
今後はAIの発達によって、ふわっとした「〇〇したい」に応えるものが出てくるでしょう。RPAの次のステップとして、デジタルトランスフォーメーションの一角を担っていくことが間違いないため、今後も目を離せない領域です。
自社でシステムを開発している会社にも、システム製作を行っている会社にとっても、ローコード開発は一つの選択肢です。何かを作ろうと考えておられるのであれば、まず選択肢にいれてみてください。
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