RPAの成功事例
RPA(Robotic Process Automation)とは
業務効率化・生産性の向上の切り札として導入されているRPA。
ロボットがパソコンの画面を直接操作して業務を実行するというものです。
ロボットなので定型業務・パターンが決まっていて例外が少ない業務はRPAの得意とするところです。
人間でもできるじゃん!といえばその通りですが、単純で繰り返しの作業というのは、集中力に限界のある人間ではミスが生まれます。
ミスを取り戻すための作業は、「ミスをしなければ生まれなかった作業」であるため、存在自体が非効率です。悲しいかな、皆さんの周りでも頻繁に生まれていると思います。
集中力に限界のある人間のパソコン作業とその作業のミスによる戻り作業、この両方の工数は本当に馬鹿になりません。
ITツールのない時代であれば、この状態は如何ともし難い状態でしたが、現代にはRPAという発達したITツールがあります。
今回は、そのITツールを導入して成功した事例を見ていきましょう。
成功事例 case1 見積書の自動作成
見積書の作り方は各社さまざまですよね。
Excel のフォーマットがある会社、自社システム内で作る会社、いろいろあると思います。
RPAはパソコンの画面の操作を人間に代わって行うものです。
人間に代わってというのは、まさにキーボードやマウスを動かす形です。
そのため、どんな社内システムでもオフィスソフトでも操作が可能です。
大口のお客さんの場合や交渉中のお客さんに出す見積もりについては、人間の頭で考える必要がありますよね。これはRPAには不得意です。
しかし見積書業務の大多数は、特別に考える必要のない定型的な業務だと思います。
この大多数の見積もりの作成を人間からRPAに切り替えた事例です。
見積作成件数が1.5倍、売上も1.2倍
処理の流れ
step 1: 新規の見積もり依頼(ファックス)をPDFデータに変換
step 2: PDFデータを人間が確認し、RPA用と人間用に仕分け
step 3: PRAがRPA用に仕分けられた案件に着手
step 4: RPAがOCRソフトを起動し、PDFデータを文字データに読み起こし
step 5: RPAが文字データから、依頼の機種と数量と納入先を取得
step 6: RPAが依頼機種と数量を社内システムに入力、納期と単価と梱包サイズを取得
step 7: RPAが運賃表を開き、梱包サイズと納入先から運賃を取得
step 8: RPAが取得した情報から見積書を作成
step 9: RPAが見積書をFAXでお客さんに回答
step 10: RPAが社内システムの見積回答一覧に内容を記入、1案件終了。次の案件へ
細かい例外パターンなども含めるともう少しステップが増えますが、概ねこの流れです。
この会社さんはまずファックス業務を自動化されたようですが、現在はメールでの問合せにもRPAを対応させているようです。
この案件では当初、売上増加は想定しておりませんでした。社内スタッフの人数減をきっかけにRPAに見積業務をさせるという目的でした。
しかし、実際に運用してみると、
・Step 2で大口の案件をすぐに把握できる
・効率化により時間的な余裕ができ、大口の案件に手をかける時間が増えた
これら2つの効果により、大口案件への対応が従来より格段に早くなったため、売上増加につながりました。
成功事例 case2 集計業務の効率化
自社の売上と粗利について、毎日集計をされている会社は多いと思います。
多くの場合、グラフ化が容易なエクセルを用いて集計し、スマートフォンでも確認が容易なPDFにして報告していることでしょう。
このExcelを用いての集計作業ですが、人間の手で行うとかなりしんどい作業になります。
SheetAに各拠点の報告の一部を貼り付けて、別のシートも同様に・・・
こういった作業を繰り返して集計をしていたため、とある会社では日報の作成に平均3時間、酷い時には操作ミスによる戻り作業で6時間もかかっていました。
1人の業務時間の半分を費やしていたことになります。
この作業に対して、集計Excelの仕様変更とRPAの導入により
業務の完全自動化、720時間削減
という結果を得ました。詳しく見ていきましょう。
まず、このパターンでは効率化できるポイントが2つありました。
・Excelでのデータ処理方法の見直し
Excel は多くの関数があり、またVBAといったマクロを使うことも可能です。
社内にExcel職人と呼ばれるような方がいれば、Excel内での処理が自動化してくれたりしますが、そういった方が少ない会社の方が多いはずです。
もし、そういった方がいても、他の業務でいっぱいいっぱいで、組み込む時間がないというパターンもあります。
この会社についても、シートAに貼り付けて、計算させた結果に手入力で情報を付け足してシートBに貼り付ける、というような作業をされていました。
このやり方では1つの入力ミスがあった場合、修正すべき点が何箇所も発生してしまいます。膨大な戻り作業が発生してしまう典型的なパターンでした。
lookup関数などを活用して修正し、シートAの入力だけで全ての計算や処理が終わる形にしました。
・入力のRPA化
Excelでの集計を効率化しても、肝心のデータ入力で間違ってしまっては意味がありません。
各拠点のデータを手動で入力するという、ミスの可能性がある作業が残っていました。
この作業も分解すると、以下になります。
step 1: 定時になり、拠点からメールが届いているかどうか確認する
→なければ督促を送る
step 2: 届いたメールにデータが添付されているか確認する
→なければ再送の依頼を送る
step 3: データを入力する
→データがなければ修正して再送の依頼を送る
step 4: 集計結果のシートをPDFにして送る
ステップ1と2では送信者のミスがあり、ステップ3では入力箇所を間違えるという入力者のミスが想定されます。
この部分をRPAに置き換えることで、確実な作業が行われるようになりました。
RPAの特徴
前述の成功事例1と2ですが、共通点があります。
それは複数のアプリケーションを横断的に使うことができる点です。
社内システム・Excel・OCR(画像から文字を読み取るソフト)・メール
こういった複数のソフトウェアを、まるで人間が扱うように操作できるのがRPAの長所です。
RPAはそれ自体が計算をしたりメールを送ったりできません。
RPAにある機能は、人間のように操作することです。処理は既存のソフトに頼る形になります。
そのため、RPAの導入に合わせて現在使っている仕組みの見直しをすることも、業務を圧倒的に効率化するためには必要です。
蛇の道は蛇といいます。
PRAを導入しようか検討するにしても、「この業務はRPA化できるのか」「どうすればRPAに任せられるのか」ということは、経験や知識がないと判断できません。
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