マーケティングオートメーションと既存営業スタイルの比較
マーケティングオートメーションとは
略してMAなんて呼ばれることが多いマーケティングオートメーション。
今まで各々の営業マンに任せっぱなしで管理がしにくかった新規顧客開拓・顧客管理を自動化・見える化・効率化できるIT時代のツールです。
しかし、既存の営業スタイルと比べてメリットがなければ、わざわざ導入する必要はありませんよね。
マーケティングオートメーションはコンピューターがシナリオに沿ってアクションをしてくれます。
コンピューターが機械的にやってくれるという一番のメリットはやはり営業や営業支援スタッフの人数に依存しない新規顧客開拓ができる、ということではないでしょうか。
今回は「今までの営業と比べて何がいいのか」ということにフォーカスしてみます。
マーケティングオートメーションのメリット
マーケティングオートメーションという名前ですから、比較するのはマーケティング部門が正しいのかもしれません。
しかし日本においてマーケティング部門がある会社は少なく、マーケティング部門があってもただの商品企画部門で実質マーケティング領域を担当しているのは主に営業部門であることが圧倒的に多いです。
なので、日本においては実質マーケ部門の営業マン及び営業部門と比較します。
圧倒的な効率性と確実性
既存の営業部に任せる場合
30人の営業マンがいたとします。
その人たちがメールでお客さんへ新商品のアナウンスをするとします。
その後、新商品の案内はいかがでしたでしょうか?というメールを再送します。
お客さんとやりとりをします。中にはあまり興味がないけどメールが来たから返信してくれているお客様もいるでしょう。
その返答にさらに営業マンが返答をします。
他の業務がある中で、新規顧客獲得のため、この業務を滞りなくやれる営業マンは100人の内何%でしょうか。
営業マンに指示を出した上の立場の方は100%やってくれていると期待しておられると思います。一方で営業マンには営業マンのやり方や優先順位があります。結果、期待通りの動きをしてくれたのは100人の内、実は数人で大多数はやってないか、やっているように見せかけているだけ、というケースはよくある話です。
「この新商品は肝煎り案件だから、各営業マンは徹底するように!」
という言葉を使って念をおしてもノレンに腕押しです。
何が問題かというと
①指示通りのアクションをしているのかわからない
②営業マンには営業マンの事情があり、後回しにされてしまう
という点になるかと思います。
マーケティングオートメーションを使う場合
・登録されているお客さんや見込客全員に間違いなく案内が届きます
・営業マンが客先に確認しなくても、メールを開いたのか、どの程度の興味がああるのかわかります
・1人のマーケティングオートメーション担当が設定をすれば、勝手に興味の高いお客さんがピックアップされて、営業マンに通知されます。
既存の営業部門に任せるやり方と比較すると以下の表にまとまります
営業部門に任せる | マーケティングオートメーション |
---|---|
確実に実施してくれるかわからない | 確実に全員に実施する |
多くの人員が必要になる | 1人の担当者で可能 |
通常の業務に加えて 未来のお客さんかわからない人と やりとりをしなければならない | お客さんに興味があるのか 確認しなくていい |
全てのお客さん候補と連絡を取るのは不可能 | 興味のある人を取りこぼさない |
マーケティングオートメーションの難しさ
なんだかマーケティングオートメーションは最高のツールのように思えてしまいますが、問題はあります。
マーケティング部門の業務を実質的に営業部門が行なっている、歴史が長い会社にありがちな問題です。
導入した時に発生しがちな問題
「MAを導入するから、上手く使ってくれ」
しっかりした営業スタイルを持っている会社で、会社の決定だからとMAを導入するとします。
営業部門にマーケティング部門を新設し、ITに強い担当者を1人つけて、いざ使っていこうとするのですが・・・
①なぜMAを使うのかの目的が浸透していない
ある程度歴史のある会社の場合、営業部門には営業ノウハウが蓄積されていきます。「今までのノウハウでこれまで問題なくやってこれているのに、何でMAを導入する必要があるのか、というかMAってなんだ?」という状態になります。
②面倒臭がってお客さんのデータを入力してくれない
①に起因しているのですが、目的が浸透していないので、「今までの営業マンや営業拠点独自の顧客管理」+「新しく導入したMA」の二重運用になってしまい、手間が増えてしまって、マーケティングオートメーションの運用先が増えないという状態になります。
③シナリオがうまく機能しない
MAを使うにあたって必須なのがシナリオ設計なのですが、
「ここのページまでお客さんがアクセスしてくれたら、興味ポイントにプラス10としよう」
という考えの積み重ねになります。
シナリオが機能しない1つ目の障壁
ホームページの構造をマーケティングオートメーション用に作り替える必要があります。
ホームページの制作会社とページ設計の段階から打ち合わせに参加しなければなりません。MA担当者にある程度のホームページへの理解度が必要です。
シナリオが機能しない2つ目の障壁
興味ポイントが高いお客さんへ営業マンがアポを取って打ち合わせをしてみたら、実はあまり興味がなかったパターンです。
この場合、営業マンからMA担当が詰められた上、「やっぱりMAなんてダメだな」という印象を営業マンに与えてしまいます。
シナリオが機能しない3つ目の障壁
継続的にシナリオやコンテンツの見直しを行う必要があります。
うまく機能していないシナリオ・興味ポイントは当然見直しをしなければなりませんし、機能するようになっても狙ったページへの誘導率が下がった場合など、随時見直しをしなければなりません。
また、定期的に見込み客へ情報を配信していると送るネタがなくなるという問題が出てきます。それまでの送信内容とお客さんからのリアクションのデータを分析し、よりよい情報配信とシナリオを作っていくサイクルを回し続けなければなりません。
改めてマーケティングオートメーションとは
マーケティングオートメーションは時代に合ったツールです。買ってくれる確率の高いお客さんをピックアップできるのですから、うまく使いこなすと営業部門にとってこの上ない味方になります。
一方で、導入の前提として、MA担当にITリテラシーの高い人を付ける、社内で導入の目的を浸透させる、MA担当以外も積極的にMAを活用し・協力する、MAの改善を続けるられる体制を作る、ということが必要です。
ハードルが高くない?
「マーケティングオートメーションは効果がありそうだけど、難しそう」と思われた事と思います。それは事実です。特に解決が難しそうなのが、ITリテラシーの高い人材がいない場合です。
しかしこの問題は回避できる問題です。Excelの関数をある程度使い慣れているレベルの人であれば、シナリオ設定は可能です。設定が可能であれば、必要なのは経験だけです。使いながらリテラシーを高めていけばいいのです。
最初はテンプレートのシナリオから始めて、徐々にその会社だけのマーケティングオートメーションを作り上げていく形です。
終わりに
マーケティングオートメーションの使い方には正解というものがありません。
それは営業に正解の形がないことと同じです。鉄板と呼ばれるやり方は、すぐにライバルが取り入れていき、お客さんはそのやり方に慣れていきます。
ビジネスに正解はありません。ビジネスの一部であるマーケティングも正解はありません。
逆に、時代遅れになるということはあります。
マーケティングオートメーションは今後、ビジネスの当たり前になると思います。
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