デジタルトランスフォーメーションとデジタイゼーションとデジタライゼーション
2018年に経済産業省が「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」を設置して以来、デジタルトランスフォーメーションという言葉はよく聞く言葉になったのではないでしょうか。
デジタルトランスフォーメーションを進めなければレガシーシステムという技術的負債を抱え、デジタル競争の敗北者になると言われ、デジタルトランスフォーメーションの成功企業が続々と増えてきているのが現状です。
しかし、デジタル化の知識が浅い人々は意外にも多いのも現状です。デジタルトランスフォーメーションをデジタイゼーション(Digitization)やデジタライゼーション(Digitalization)と混同されることも少なくありません。
今回はデジタルトランスフォーメーションとデジタイゼーション、デジタライゼーション、それぞれの違いにフォーカスしていきたいと思います。
3つのデジタル化
デジタルトランスフォーメーションもデジタイゼーションもデジタライゼーションも日本語に訳すと全て「デジタル化」という意味になります。
しかし、根本的に一つ一つのニュアンス・意味合いには違いがあります。
デジタイゼーション
・アナログ情報の局所的なデジタル化
デジタライゼーション
・ビジネス・プロセス全体のデジタル化で、新たな価値や利益を創造
デジタルトランスフォーメーション
・その結果として新たなビジネスやサービスの仕組みが創出され、社会的な影響を生み出す
デジタイゼーションとは
まずはデジタイゼーションについて説明していきます。先ほどデジタイゼーションは「アナログ情報の局所的なデジタル化」だと言いました。デジタル技術を利用することにより、ビジネス・プロセスの一部をアナログからデジタルに変更し、効率化・コストの削減を図ることです。
またデジタイゼーションはデジタルトランスフォーメーションへの最初と一歩と言えまので、デジタル技術を活用できていない企業はデジタイゼーションから入るのが一般的だと言われています。
デジタイゼーションの一例
・手動のコピペをRPA(Robotics Process Automation)に変更する
・紙の書籍を電子書籍に変える
・紙の資料をスキャンしてPDFにコンバートする
・フィルムカメラをデジタルカメラに変える
デジタライゼーションとは
デジタライゼーションは「ビジネス・プロセス全体のデジタル化で、新たな価値や利益を創造」だと言いました。デジタル技術で人々の暮らし・体験や企業のビジネスモデル・プロセスを変革し、従来とは差別化された競争力を身に付け、新しい価値を生みだすことがデジタライゼーションの本質だと言えます。また、その差別化された競争力は、現代のビジネスにおいて力強い武器をとなります。
また企業の経営の観点から見れば、デジタライゼーションによって現場の問題を解決すれば、次のステップであるデジタルトランスフォーメーションに取り組んでいくことを視野に入れておくべきでしょう。
デジタライゼーションの一例
・DVDやBlue-rayの購入をNetflixなどの月額制動画配信サービスにする
・自動車を所有せずにカーシェアリングを利用する
デジタルトランスフォーメーションとは
経済産業省が2018年12月に発表した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」では、以下のように定義されています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の定義/経済産業省
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
出典:デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver. 1.0
経済産業省
上記の定義だけを見ると少しややこしいですが、デジタルトランスフォーメーションとは「デジタルテクノロジーを用いて、企業の業務や組織、プロセス、ユーザー体験や価値観に根本的な変革をもたらすこと」です。
・今までになかったプロダクトやサービス、ビジネスモデルのあり方を生み出す
・ビジネス・プロセスを見直し、再構築・最適化する
このようにDX(デジタルトランスフォーメーション)はビジネス全体、さらには生活全体を根本的に変革していくことになります。
なお、Digital Transformationの略称はDXと言われます。なぜDTではなくDXなのかというと、trans-が日本で「越えて、横切って」という意味があるので英語圏はDXという略称になっています。
デジタルトランスフォーメーションの一例
・配車から支払いまで全てをオンラインで行い、ドライバーは個人が所有している車で空き時間にサービスを提供(Uber)
・アプリを用いてユーザーの肌データに基づいて個人に合わせた化粧品を提案(資生堂)
3つのデジタル化の例
デジタルトランスフォーメーション、デジタライゼーション、デジタイゼーション、上記の3つを含めた分かりやすい例を説明します。
従来
・紙での会議室管理
・会議内容を書き取る
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デジタイゼーション後
・スマホやPCで管理を会議室を使用状況の管理
・会議の録音
⬇️⬇️
デジタライゼーション後
・オンラインでのウェブ会議
・自動で音声の読み起こし
デジタルトランスフォーメーション後
・AIがファシリテータを務め、議事録を自動で作る
・AIが議事録を参照して、次のアクションを予測して各自に伝える
まとめ
デジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーション、この3つの違いがお分かり頂けたでしょうか。
デジタイゼーション
・アナログ情報の局所的なデジタル化
デジタライゼーション
・ビジネス・プロセス全体のデジタル化で、新たな価値や利益を創造
デジタルトランスフォーメーション
・その結果として新たなビジネスやサービスの仕組みが創出され、社会的な影響を生み出す
デジタルトランスフォーメーションを実現させるためには自身の企業のデジタル化の進み具合により段階を踏んでいく必要があります。デジタル化があまり進んでいない企業では、RPAやMAの導入でまずはデジタイゼーションを行っていくことで、デジタルトランスフォーメーションの失敗を防ぐことができます。
そして企業全体がデジタルになれている状態にすることでERPの導入などがスムーズに行きます。また、データの活用・分析などを行い、他社企業に負けない強みを身につけて、現代のビジネスのスピード感に置いて行かれないようにしきましょう。
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