2020年10月5日

あなたがデジタルトランスフォーメーションに失敗しないために

投稿者: kgi_admin

昨今、世界中の企業で多額の資金を投じてDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいます。初めの試験的な取り組みでは一定の成果をあげる企業は多いですが、会社全体の規模に拡大すると失敗したり、道半ばで頓挫してしまったりすることが多々あります。

「デジタル・イノベーション・カンファレンス2019」において、DX研究者であるIMDのマイケル・ウェイド教授は、「全世界で取り組まれているデジタルトランスフォーメーションの95%は失敗に終わっている」と衝撃的な発表をしました。実績のあるリーダーが先導して、多額の投資を行って取り組んでいるデジタルトランスフォーメーションが失敗してしまうのはなぜでしょうか。

デジタルトランスフォーメーションが失敗に終わる理由

DXが失敗に終わる理由を弊社が調査した時に大きく2つの失敗要因が考えられています。

1、経営陣内でズレが生じている

これが「デジタルトランスフォーメーションが失敗に終わるもっとも大きな要因」と言えるでしょう。

経営陣が「デジタルトランスフォーメーションとは何か」を理解すること、そして、「どのように実現していきたいのか」を明確にできる必要があります。それを社員に問題なく説明できるようになれば、DXへの取り組みのスタートラインに立てます。また、一番重要なことはデジタルトランスフォーメーションがその企業のビジネス・プロセスを「変革」することだと言うことを念頭に置いておかなれければなりません。デジタルトランスフォーメーションの概念そのものが曖昧なまま、または乗り遅れるといけないからとりあえず真似をして、取り入れようという考えではいけないのです。

2、デジタルトランスフォーメーションする段階にまだ到達していない

デジタルトランスフォーメーションを行うためにはデジタル化が進んでいる必要があります。

製造現場などのアナログな現場でいきなり全てをデジタル化するなんて不可能ですよね。まずは、紙ベースの管理をしていた帳票や部品札などを全てデジタルで管理するように変更し、現場でも本社でも一括で管理できるように変更するところから始めるといいでしょう。

例えば、ある部品の発注の見積もりを発注先の会社ごとに登録しておけば、後で容易にデータを分析することが可能になります。また、発注する際に条件のいい発注先を選ぶことが可能になります。

そして、デジタルトランスフォーメーションを進める前にデジタイゼーションを進め、社員がデジタルフレンドリーである状態を作り出しましょう。そうでなければ、デジタルトランスフォーメーションを行う際にスピードについていけない部署が出てくる可能性も考えられます。

DXの成功事例

国外国内問わずDXは推進されており、いろいろな成功事例があります。成功事例を参考にして、どのようにDXを進めていくのかを議論するのも大切です。

今回はその成功事例の一部を紹介したいと思います。

大塚製薬

大塚製薬は日本における処方薬の完全服用率が60%であることに着目し、医療IoTを活用した「服薬支援システム」を開発しました。

大塚製薬とNECが協業して、薬の飲み忘れを防止するためのIoT容器を開発しています。このIoT容器は決められた時間になるとLEDが点滅し、服薬時間を通知する仕組みです。

また服薬時間の通知機能だけでなく、通信機能やメモリー機能を搭載しています。これらの機能を搭載することにより、本人だけでなく家族に服薬情報を共有したり、薬剤師の服薬指導に活用したりすることができます。医療・介護の効率化や病気の再発・悪化の防止、ひいては社会保障費の削減が期待できる点など社会的意義の大きい取り組みを行っています。

資生堂

資生堂が提供するIoTスキンケアシステムは、ユーザーの肌データに基づいて個人に合わせた化粧品(美容液、化粧水など)を提案してくれるアプリ、オプチューンを開発しています。肌状態だけでなく、外気温や湿度などの外的要因、体内リズムやストレス状態などの内的要因も考慮した上で、8万通り以上のケアから最適なものを提案してくれます。

このサービスは資生堂の知見を活かしたサービスであり、デパートの対面販売では、美容部員がお客さんに合ったスキンケアやメイクを提案してくれますが、デジタル技術を活用してそれを再現することに成功しています。

Uber

Uberはデジタルトランスフォーメーションを象徴するサービスの一つで、これまでのタクシー行を大きく変貌させました。ドライバーは空き時間を使って、仕事を得られるようになり、ユーザーはタクシーが普及していないエリアでもタクシーに乗れるようになりました。また、ユーザーはUberアプリを使うことでタクシーの配車から目的地の指定、決済までを一元的に行うことができます。また、海外のタクシーサービスでよく見られる欠点であった料金の不明瞭さやクレジットカード決済ができないといった点が改善されてることは旅行者にとっても大きな利点となっています。もともとはアメリカ発祥ですが、2018年日本でも本格的にスタートしました。タクシー会社とUberが協業し、サービスの提供をしています。また、民間だけでなく、自治体での活用事例も出てきています。
そのうちのひとつが、京都の「ささえ合い交通」です。本来、タクシー業を営むには2種免許が必要なのですが、過疎地域においては例外が認められています。バスやタクシーが提供困難な場合、「自家用有償旅客運送制度」により地域住民が自家用車でもドライバーとなってタクシーの代わりに乗客の輸送が可能になります。

上記のようにデジタル技術を用いて、成功を獲得している企業はたくさんあります。これからも技術進化が続きよりよいプロダクト・サービス・ビジネスモデルが生まれていくでしょう。

まとめ

デジタルトランスフォーメーションを失敗しないためには、まずはしっかりとした情報を取り入れて、それを理解・整理することが必要です。デジタルトランスフォーメーションが何かということ、そしてどのようにデジタルトランスフォーメーションを行なっていくかを経営陣は理解していることも大切です。

そしてゴールを明確にしてください。デジタルトランスフォーメーションをして、どのようにデータ管理を、プロセスを、ビジネスモデルを変えていくのかを考えなければなりません。またデジタルトランスフォーメーションを脳内で何かに当てはめようとせずに全く新しいものとして認識することも重要です。

すでにデジタルトランスフォーメーションに成功している企業はたくさんあります。その成功事例を参考にして自社企業の新たなビジネスモデルのアイデアを得るのもいいでしょう。

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