2023年4月26日

MECEを理解していますか?

投稿者: kgi_admin

MECEという言葉を知っていますか?MECEはSWOT分析や3C分析、4P分析の前提となっている分類分けの方法・整理方法です。

MECEを知らない状態ではこれらの分析も片手落ちになってしまうことでしょう。

知らない方は糧として、知ってる方は復習として活用ください。

MECEとは?

MECE(ミーシー (Mee-cee): Mutually Exclusive Collectively Exhaustive )とは、「相互に排他的な項目」による「完全な全体集合」を意味する言葉である。要するに「漏れなく・ダブりなく」という意味である。

Wikipedia MECE より

Wikipediaの説明だけでもなんとなく理解できると思います。

何かしらの要素を分ける場合に、漏れもなければ被っているものもないようにする、ということです。

例えば、あるサービスについて分析をする場合を考えてみてください。

利用者を分類する場合に「中年男性」と「40代男性」というカテゴリーがそれぞれあるとMECEではありません。中年男性の中に40代男性が含まれるため、同じ階層のカテゴリーとして存在していてはいけません。中年男性という大分類の中に「40代」「50代」「60代」という小分類があればMECEになります。

前述のような例はよくあるケースです。

MECEの発想は単純な概念ではありますが、シンプルがゆえに難しいものと言えます。

MECE的な分類とそうでない分類がどう違うのか、例を出して考えてみましょう。

例:とある企業で現場把握の為に作業の全体像を細分化する

あなたの日頃行っている業務について考えてみましょう。

と言っても、読者の方の数だけ日頃の業務がありますので、ここでは「とある製造業企業で現場作業改善の為、作業の全体を細分化して把握する」というサンプルケースで考えてみます。

月曜日ミーティング、現場作業、日報作成作業
火曜日ミーティング、現場作業、日報作成作業
水曜日ミーティング、現場作業、日報作成作業
木曜日ミーティング、現場作業、日報作成作業
金曜日ミーティング、現場作業、日報作成作業

現場に対してアンケートをとると、上記のような結果が返ってくることが往々にしてあります。明らかに問題があると分かりますが、何が問題か考えてみてください。

根本的な問題として、分析をするのに毎日同じ内容を記載してしまっては、分析のしようがありません。もっと細分化するべきでしょう。

MECEでも適切な細分化が求められます。というのも、ミーティングや現場作業の範囲が分からないからです。人によっては「朝礼も人がそろって話をするんだからミーティングだ」「朝礼はミーティングとは別だ」という考えになってしまい、漏れを誘発してしまいます。また、人によって現場作業中の立ち話もミーティングと考えることもあります。そうなると現場作業とミーティングにダブりが生じていることになります。

上記の場合、「日報作成作業」があるので、そのレイヤーにそろえて再整理するべきでしょう。

ミーティングについて着目しましょう。

例えば、すべての曜日でミーティングと書いてありますが、果たしてそのミーティングは同じものなのでしょうか?

月曜日には週初めの長めのミーティングがあり、他の曜日には挨拶がてらその日の業務を確認する5分程度の朝の小ミーティングがあるというのがよくあるパターンですよね。

また、だいたい週に1回くらいは臨時のミーティングがあるということもあるかもしれません。

であれば、ミーティングは「週初めミーティング」「朝礼」「臨時ミーティング」など、他の人が見ても解釈が変わらないものに細分化出来ます。

現場作業についても、毎日動かす機械を使う作業Aがあったり、火曜日と木曜日だけ行う作業Bがあったり、月に1〜2回程度不定期に行う作業Cがあったりするのが自然です。

とすると「A作業」「B作業」「C作業」と3つに分けるべきです。

これらを上記までの情報を基にすると、以下のようにまとめることができます。

月曜日朝礼、週初めミーティング、作業A、日報作成作業
火曜日朝礼、作業A、作業B、日報作成作業
水曜日朝礼、作業A、日報作成作業
木曜日朝礼、作業A、作業B、日報作成作業
金曜日朝礼、作業A、日報作成作業

※ 不定期に作業Cあり(月1~2回程度)

※ 不定期に臨時ミーティングあり(週1回程度)

よし、これで完成…と言いたいところですが、これではMECEとは言えません。

「漏れやダブりのない全体集合」がMECEという概念です。

表記にダブりがあります。そして、表中にすべてが入り切っていません。

つまり、この分類の切り口が項目に対してふさわしくないのです。MECEを意識した場合、以下のような形となります。

定期不定期
毎日 火・木 週初め 週1回程度 月1~2回程度
朝礼・作業A・日報作成 作業B 週初めMTG 作業C 臨時MTG

こういった分け方をしていれば一目で全体像が掴めます。そして分析をする上で計算もしやすくなります。他に項目を追加することになっても、前述の曜日分けの方法よりもこちらの方が容易に追加できます。こういった点から有名な分析方法の前提になっているわけですね。

MECEの罠

非常に切れ味のよいアプローチではありますが、なんにでも使えるものではありません。MECEにも欠点があります。例えば、上記の場合「発生するタイミング」が切り口となっています。7~8割方毎日行ってるけれど、3日続けて行わない事もあるという作業があった場合、どこに入れるべきなのか?という問題が発生します。

そういった場合、作業ごとの消費時間など別の形で分類しなければなりません。

特定の切り口で分類分けするということは、特定の形に合うように考えてしまうことにつながります。

現実の事象というのはいくつもの要素を持っているものです。しかし、特定の形で分けるということは、別の要素を切り落とすということにつながります。それはつまり、事象に対する理解に漏れを発生させ、発想を限定化してしまうのです。漏れを防ぐことを目的に掲げているのに漏れの原因になるというのはなんとも皮肉なことですね。

まとめ

MECEについてサンプルケースを中心にみていきました。今回はMECEとはどんなものかを紹介した程度になっております。MECEには7つの切り口というものがあり、よりフレームワーク的に分類分けを行うことができます。興味を持っていただいたら、ぜひご自身で調べていただき、武器としていただけたらと思います。

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