進むキャッシュレス化
『キャッシュレス決済』というのは、文字通り現金を使用せず代わりに電子マネーやクレジットカード、コードなどを用いて決済する方法のことです。おそらく今ではほとんどの方が聞き馴染みのある言葉だと思います。
主なキャッシュレス決済
・クレジットカード
最も頻繁に使用されているキャッシュレス決済です。店舗での使用はもちろんのこと、水道やガス、電気などの公共料金での決済にも使用できます。利用額に応じて加算されるポイントのほか、付帯サービスが豊富にあります。
・デビットカード
クレジットカードが後払い決済なのに対して、デビットカードは利用と同時に銀行口座から引き落とされます。銀行口座の残高以上に使用することができないため気軽に使用できるメリットがあります。クレジットカードのように与信審査はありません。
・電子マネー
主に交通系(PasmoやSuicaなど)や流通系(waonなど)に分類されます。電子マネーの種類によっては先払い式や即時口座引き落とし式、後払い式のものがあります。
・スマホ決済
クレジットカードや電子マネーを紐づけることによりスマートフォンを端末にかざすだけで決済が可能です。また、店舗に設置してあるQRコードを読み込んだり、逆にコードを提示してそれを読み込んでもらうことで決済が完了する方法があります。
キャッシュレス化が進み、注目されているのは何故?
コロナ禍における感染対策
新型コロナの到来により、人々の感染症予防に対する意識が高まりました。
それにより、不特定多数の人が触れた現金を衛生的な理由で使用したくない消費者が増加しました。また、店舗ではカードやスマートフォンを端末にかざすだけで決済できるため、従業員との非接触が可能となりますし、決済もスムーズにできるため対面時間を減らすことができます。
日本政府がキャッシュレス化を推奨している
日本政府は2025年の大阪万博までにキャッシュレス決済比率を29%(2020年)から40%にする目標を掲げ、将来的には80%を目指すと宣言しています。
では、なぜ日本政府はキャッシュレス化を推奨しているのでしょうか?日本国内でキャッシュレスを普及させたい理由として以下が挙げられます。
①インバウンド消費を拡大したい
簡単に言うと、外国から来た観光客に日本でお金を沢山使ってもらうことが狙いです。キャッシュレス決済を普及させなければ、日本円を持たない訪日観光客が買い物をしたくてもできないことが多くなります。これを防ぎ、観光客が買い物をしやすい環境を作りたいのです。
②少子高齢化による人手不足の緩和
日本は深刻な少子高齢化により、これから先の時代に労働者不足が予測されています。そのため、現金管理などの手間を無くし社会を効率化して、生産性を高めることが必要となっていきます。
③インフラコストの削減
現金輸送費、ATM設置費、現金取扱業務の人件費などで年間約1.6兆円の直接コストがかかっています。現金の管理はキャッシュレスよりも多額のコストがかかっています。これらのインフラコストを削減することも目的の一つです。
日本政府はキャッシュレス化を促進するため、対象店舗にて買い物をした場合にポイントを還元する「キャッシュレス・ポイント還元事業」などを行いました。(2019年10月から2020年6月までの9ヶ月間)
キャッシュレス利用のメリットは?
私たちにどのようなメリットがあるのでしょうか?
・衛生的
⇨現金に触れないので衛生的です。
・ATMで現金を引き出す必要がなく手数料がかからない。
⇨コンビニなどでお金をおろす際に手数料を支払う必要がありません。ATMを利用する時間も節約できます。
・レジでスムーズに支払える
⇨端末にカードやスマホをかざすだけなのでスムーズに会計ができます。小銭を探す手間もかかりません。
・ポイントが貯まる
⇨利用額に応じてポイントが貯まります。そのポイントを利用してショッピングをしたりできます。気づいたら結構ポイントが貯まっている人も多いのではないでしょうか。
・支出管理が簡単
⇨使用履歴が残るので家計簿をつける必要がありません。
・防犯になる
⇨多額の現金を持ち歩くのに抵抗のある方が多いと思います。キャッシュレス決済なら現金を持ち歩かず高額なものも購入できます。
海外のキャッシュレス状況
2021年以降、日本でも急速にキャッシュレス化が進んでいますが、前述した通りキャッシュレス決済比率は約30%(2020年)にとどまっています。その原因としてはお店側がクレジット会社に支払う手数料が高いこと、サービスの種類が多すぎてどれを使ってよいのか利用者が分からないことなどと言われています。
では、日本以外の諸外国のキャッシュレス化の状況はどのようになっているでしょうか?経済産業省によると、諸外国のキャッシュレス決済比率は以下となっています。
※2018年 経済産業省 商務・サービスグループ キャッシュレス推進室
韓国(94.7%)、
中国(70%)、
カナダ(62%)、
オーストラリア(59%)、
シンガポール(57.6%)、
スウェーデン(48.9%)、
アメリカ(47%)、
フランス(44.8%)、
ドイツ(17.9%)
これらの数値を見るなかで目を引くのは韓国の圧倒的な数字だと思います。これは韓国が国をあげてキャッシュレス化を推し進めたことが要因です。
1997年、タイの通貨であるバーツの暴落がきっかけとなったアジア通貨危機により、韓国は個人消費の増加と脱税の防止を目的としたこれらの政策を打ち出しました。
・クレジットカードの決済額が年収の4分の1を超えた分に対してその20%を所得から控除
⇨支払うべき税金が抑えられます。
・宝くじの参加権利を付与
⇨クレジットカードを使用するだけで大金を手に入れることができるかもしれません。
・年商240万円以上の店舗にはクレジットカードの取り扱いを義務化
⇨小売店やコンビニでのクレジットカードの使用が急激に広まりました。
これらの政策が韓国のキャッシュレス決済率を高める要因となりました。
最後に
今回はお金にスポットをあてましたが、これから私たちの周りのものが指数関数的にデジタル化していきます。この流れは誰にも止められないでしょう。もちろんメリットばかりではないかもしれませんが、この事実は近い将来必ずやってきます。
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