フィルターバブル
フィルターバブルとは、個人が利用する検索エンジンやソーシャルメディアなどが、その個人の過去の行動履歴や嗜好を元に、その人が興味を持ちそうな情報だけを選択的に提示することで、とても便利である反面、その人の情報収集や世界観が狭められる現象のことを指します
つまり、情報収集や情報提供のプラットフォームが、個人の行動履歴や嗜好に合わせて情報をフィルタリングし、自己の意見や関心事に適合する情報だけを提供することにより、
他人と同じインターネット上の情報を見ているつもりでも、自分が実際に見ている情報はあくまでフィルターを介してパーソナライズされたものということになります。その結果、おのずと似た情報や同じ視点に囲まれてしまうため、異なる意見が目に入りにくくなります。
引用 https://staff.persol-xtech.co.jp/hatalabo/it_engineer/586.html
フィルターバブルのメリット・デメリット
メリット
個人に合った情報提供
フィルターバブルは、個人の行動履歴や嗜好を元に、その人が興味を持ちそうな情報だけを選択的に提示することができます。これによって、個人に合った情報提供ができ、必要な情報を簡単に入手することができます。
時間の節約
フィルターバブルが個人に合った情報提供を行うことで、個人は必要な情報を簡単に入手することができます。これによって、時間を節約することができます。
ターゲティング広告の効果的な配信
フィルターバブルは、個人の興味や行動履歴を元に、ターゲティング広告の配信を効果的に行うことができます。これによって、広告主はよりターゲットに合わせた広告配信を行い、広告費を効果的に使うことができます。
デメリット
情報収集の偏り
フィルターバブルが個人に合った情報提供を行うことで、個人の情報収集に偏りが生じることがあります。これによって、個人は自分の興味に合った情報しか収集しなくなり、自己の意見や知識の偏りを助長する可能性があります。
自己確認バイアスの影響
フィルターバブルが個人に合った情報提供を行うことで、個人は自己確認バイアスの影響を受ける可能性があります。つまり、自分と同じ意見や知識を持つ情報ばかりに接することで、自分の意見が正しいと確信し、自己の偏見を固定化してしまうことがあります。
社会的な分断の促進
フィルターバブルが個人に合った情報提供を行うことで、個人が異なる意見や情報に接する機会が減ることがあります。これによって、社会的な分断が促進され、偏向的な情報の拡散や社会的な対立が深まる可能性があります。
デマやフェイクニュースの拡散
フィルターバブルが個人に合った情報提供を行うことで、デマやフェイクニュースが拡散される可能性があります。つまり、個人が自分と同じ意見や知識を持つ情報ばかりに接することで、デマやフェイクニュースが真実であるかのように拡散され、社会的な混乱を引き起こすことがあります。
フィルターバブルの具体例
2016年 米国大統領選挙
フィルターバブルを有名にしたのが、2016年に行われた米国大統領選挙と言われています。
共和党のドナルド・トランプ氏を支持する保守派の人々は、選挙期間中にFacebookのフィードにトランプ氏支持の投稿しか表示されなくなり、民主党のヒラリー・クリントン氏を支持する投稿は表示されなくなったそうです。同様のことが、民主党のクリントン氏を支持する人々に発生しました。
選挙期間中にトランプ氏を支持するとあるブログ記事がFacebook上で150万回以上シェアされました。ところが、クリントン氏を支持するとあるリベラル派の経営者は、選挙期間中にFacebookのフィード上で、一度もそのブログ記事を目にすることがなかったということです。
新型コロナウィルスワクチン
フィルターバブルの概念は新型コロナウイルスワクチンについても作用していたと考えられています。フィルターバブルには間違った情報や過激な行動、フェイクニュースなどが拡散しやすいという問題があるのです。
もちろんワクチンを打つか打たないかは一人ひとりの考えにもとづきますし、その意見は尊重されるべきものです。よって他者が強要するものではありません。
ところが「ワクチンを打ったら不妊になる」「本来持っている免疫が破壊される」などのデマがフィルターバブルによって拡大され、インターネット上の一部ではあたかもそれが世界の真実であるかのように錯覚してしまったのです。
SNSのタイムライン
TwitterやInstagram、FacebookなどSNSのタイムラインはフィルターバブルのわかりやすい事例です。
それぞれのタイムラインには自分が好きな情報、おもしろいと思ってフォローした人の情報だけが流れてきます。そしてこのタイムラインはユーザーの数だけ存在するのです。
つまり自分が見ているタイムラインは自分の嗜好が反映されたもので、すべてのユーザーが同じタイムラインを見ているわけではありません。特定の情報が強調されていても、それはSNSのタイムラインという閉鎖的な空間内での話にすぎないのです。
YouTube
過去の視聴履歴に基づいて、関連性の高い動画を推薦することがあるため、同じ種類の動画にしか触れなくなる可能性があります。
フィルターバブル対策
プライベートブラウズを使用する
プライベートブラウズは、過去の検索履歴やログイン時のデータが自動的に削除される機能を有したモードです。このため、過去のアクティビティに検索結果を左右されず、フラットな検索結果を表示できます。ただし、プライベートブラウズの名称はブラウザによって異なり、Google Chromeでは「シークレットモード」、Safariでは「プライベートブラウズモード」、Internet Explorerでは「InPrivateブラウズ」、Firefoxでは「プライベートブラウジング機能」となります。
自己の情報フィルタリングの見直し
個人が利用しているプラットフォームがどのように情報をフィルタリングしているかを理解し、必要に応じて自己の情報フィルタリングを見直すことが重要です。例えば、自分とは違う意見や情報に触れるために、意図的に異なる視点を持つメディアやソースを選択することが挙げられます。
プラットフォームの利用方法の多様化
自分が利用するプラットフォームにとらわれず、別のプラットフォームやオフラインの情報収集方法を活用することで、情報収集の幅を広げることができます。例えば、オンラインだけでなく、テレビ、ラジオ、新聞なども利用することで、幅広い情報を収集することができます。
プラットフォーム側の改善
プラットフォーム側が情報フィルタリングの透明性や適切性について、ユーザーに説明し、必要に応じて改善することが望まれます。また、フェイクニュースやデマの拡散に対しては、適切なフィルタリングや検閲が行われるようにすることも重要です。
これらの対策を総合的に行うことで、フィルターバブルに陥ることを避け、偏った情報収集や社会的な分断を防ぎ、より幅広い視野を持つことができます。
また、フィルターバブル対策は個人だけでなく、プラットフォーム側や政府、メディア、教育機関など、社会全体での取り組みが必要です。これによって、より多様な情報を収集し、偏見や差別を防ぐことができ、より豊かな社会を実現することができます。
まとめ
フィルターバブルは、見たい情報が優先的に表示され、見たくない情報が遮断される環境が構築され、ユーザーの視野が狭くなる仕組みです。
メリットとして、個人に合った情報提供や時間節約、ターゲティング広告の効果的な配信が挙げられます。一方、フィルターバブルの問題点は、相手側の意見が全く見えない状態となり、特定の思想や意見に傾倒し、人々の視野や思考の幅を奪う危険性が懸念されています。個人は、フィルターバブルに陥ることを避け、多様な情報源から情報収集することが重要です。また、プラットフォーム側も透明性を高め、情報フィルタリングの適切性を確保する努力が求められます。
とはいえ、フィルターバブルを完全に避けることは、現実的には困難です。個人の興味や過去の履歴などに基づいて情報をフィルタリングするアルゴリズムが広く利用されており、それらを完全に排除することはできません。
フィルターバブルは視野を狭める可能性がある一方で、ユーザーに高い利便性をもたらします。フィルターバブルのメリット・デメリットを理解した上で、検索エンジンやSNSと上手に付き合っていくことが大切です。
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